53年前の7月27日、広島県の山間部を走る可部線が全線開業を迎えました。

浜田まで結ぶ予定だった路線

 今から53年前の1969(昭和44)年7月27日。広島県の山間部を走るローカル線、可部線の横川〜三段峡(延長60.2km)が全通しました。

 可部線は20世紀のはじめに市街地の路面電車として誕生。可部まで順次開業していきます。その後「広浜鉄道」として、広島と浜田をむすぶ壮大な本州横断路線へと飛躍。日本海側からも路線建設がスタートします(のちに中止)。1936(昭和11)年に国鉄可部線となったあと、可部から太田川の上流へ、順次延伸していきます。1954(昭和29)年に加計までが開業し、工事はいったん一段落します。

 その後1965(昭和40)年、三段峡までの延伸区間が「本郷線」として建設開始。その頃には国鉄の経営状況も悪化し、可部以北が廃止路線の対象に指定されてしまいますが、そのまま開通に至ったのです。

 三段峡からさらに北へ、日本海側の浜田駅をめざす工事は1974(昭和49)年に開始。「今福線」と名付けられたこの新線は、橋脚など多数の遺構を残し、1980(昭和55)年にやむなく工事中止を迎えます。そして残された可部線も、2003(平成15)年に可部以北が廃止。可部線は100年前の誕生当初と同じ、広島市街の生活を担う都市型路線に戻りました。

 その可部線は2017年、可部から2駅先のあき亀山駅まで延伸開業。時代に翻弄され、計画が生まれては消滅し、長くなったり短くなったりする激動の歴史とともに、今も走り続けています。