日本海側を走るJR北陸本線。今後、北陸新幹線の敦賀開業で第三セクター移管区間が増え、たったの「46km」になります。このような「短くなった本線」は各地でいくつか見られます。

あっという間に終点の「本線」

「北陸本線」と言いながら、日本海側へ出たらもう終点――そんな不思議な路線が、まもなく生まれることになります。

 JR北陸本線はその名のとおり、かつて北陸地方を縦断し、滋賀県の米原駅から新潟県の直江津駅までをむすぶ全長353.8kmの壮大な幹線でした。

 しかし2015(平成27)年に北陸新幹線の長野〜金沢の開業で、「並行在来線」となった北陸本線の金沢以北はすべて、JRから第三セクターに移管されたのです。この時点でJR北陸本線の総延長は176.6kmと、かつての半分になりました。

 そして2024年春、北陸新幹線の敦賀への延伸開業とともに、敦賀以北はすべて第三セクター「ハピラインふくい」および「IRいしかわ鉄道」へ移管されます。残る「JR北陸本線」の区間は、米原〜敦賀のわずか45.9kmとなります。

 総延長のうち、滋賀県内を走行するのは37kmと、8割を占めます。かつて新潟県まで足をのばしていた北陸本線は、福井県に入ってすぐに終点となるのです。

 ほとんど北陸を走らなくなる「北陸本線」、路線名はどうなるのでしょうか。JR西日本の広報担当は「現時点で、路線名称を変更するかどうかという検討が行われたことはありません」と話します。

各地に残る、すごく短い「本線」の将来は

 このように「短くなってしまった本線」の先行事例といえるのが、JR信越本線です。上越線の開通前は東京〜新潟の主要ルートであり、高崎・長野・直江津・長岡を経由する190.8kmの大幹線でした。

 しかし北陸新幹線の開通により、長野・新潟県内の並行在来線区間は順次第三セクター化。現在は直江津〜新潟の136.3kmと、長野県内で“切れ端”のようになった長野〜篠ノ井9.3km、そして群馬県内の高崎〜横川29.7kmが信越本線として残っている状況です。

 さて、新幹線開業前の路線長の13%にまで短くなってしまう北陸本線ですが、JRの「本線」では、さらに短い存在がいます。北海道の苫小牧駅を発着する、JR日高本線です。かつてはひだか町の様似までをむすぶ146.5kmの幹線でしたが、2015年に高波で被災し、そのまま廃線。現在はわずか4駅間30.5kmを残すのみとなってしまいました。

 さらに短い「本線」も、一時的に誕生しそうです。同じく北海道のJR留萌本線が、2023年3月に部分廃止となり、深川〜石狩沼田のみとなる見込み。その総延長はわずか14.4kmで、山手線の東京〜品川〜渋谷に相当する距離です。この最短の本線も、2026年度中に全廃となる可能性があります。


※一部修正しました(8月2日10時49分)。