道路の走行車線を分ける区画線といえば、白の実線と破線、黄色の実線ですが、関越道には「緑の実線」が存在します。これが一定の“効果”を挙げていることがわかりました。

「緑の実線」登場から1年

 走行車線を分ける区画線といえば、白の実線と破線、黄色の実線ですが、関越道には見慣れない「緑の実線」が引かれているところがあります。

 場所は東松山IC付近の下り線で、第一走行車線(最も左側の車線)の両側に緑の線が引かれています。ICの流入ランプから本線合流部を経て、そこから約4km先まで続いています。

 もちろん、緑の区画線など道路交通法にはなく、NEXCO東日本が独自に引いたもの。2021年7月に施工されましたが、それから1年、同社関東支社は「狙った効果が出ている」と、手ごたえを感じているそうです。

 この緑の線は「車線キープグリーンライン」と呼ばれています。最初に走行したときは、「この線は踏んでいいものか……」と戸惑い、そのまま車線変更をせずにグリーンラインが途切れるところまで進みました。

 実は、これこそがグリーンラインの狙い。心理的な効果で車線変更の抑制を期待したものなのです。

「第一走行車線のキープレフト効果を複数回にわたって確認したところ、IC合流部付近で、施工前と比べ67〜76%、車線変更回数が減少しました」(NEXCO東日本 関東支社)

渋滞緩和策としての「緑の実線」

 下り線の東松山IC付近は、関越道下り線の代表的な渋滞ポイントです。その根本原因は、ICからの合流と、上り坂で速度が低下することによるものとされていますが、クルマが少なければ流れます。

 しかし混雑してくると、早く走りたい心理から追越車線側にクルマが集中し、ブレーキの連鎖が発生、結果として追越車線側から渋滞が発生することがわかっています。そこでNEXCO東日本関東支社は、東松山IC付近で「渋滞予防のため左車線のご利用を」などといった文言をLED板などで表示し、キープレフトを促す実験を行っていました。

 それは仮の設置であったため、常設の対策として、路面に緑の実線を引くことを思い立ったそうです。

 同支社によると、施工前と比較して車線変更が抑制されたことで、渋滞発生前の交通容量も2%増加し、以前よりスムーズに走れるようになっているといいます。