渋谷駅周辺の再開発工事により、かつて東京メトロ銀座線のホームがあった東急百貨店ビルも解体が進行中。それにあわせ、かつて地上駅舎だった当時の駅舎構造物が、姿を現しています。

ビルの解体により再び露出

 東京メトロ銀座線の渋谷駅は、かつて、百貨店ビルの3階へ潜り込むようにしてホームが設置されていました。2020年のリニューアルで、表参道側に移設。明治通りを丸ごとまたぐ“空中ホーム”となったのです。

 さて、残された旧ホーム部分が、渋谷駅周辺の再開発事業の進展にともない、いよいよ解体されようとしています。その過程で2022年8月現在、開業当時の駅の“本当の姿”があらわになっているのです。

 銀座線渋谷駅の開業は1938(昭和13)年。当時は「玉電ビル」の上にコンクリートの駅舎を設けた形でしたが、1954(昭和29)年に東急百貨店の西館が増築されると、「ビルの中にある駅」となりました。

 この東急百貨店東横店の西館はほぼすべて解体撤去済み。それとともに、銀座線旧ホームの「コンクリートの覆い」が再び姿を現したのです。東京メトロによると、このコンクリート構造物は「1938年の開業当時のもの」とのこと。西館増築からおよそ半世紀を経て、ふたたび日の目を見たことになります。

 この部分は今後どうなるのでしょうか。現在、この高架線は、マークシティ内にある銀座線の車庫への回送線として使われています。東急が公表している渋谷スクランブルスクエアII期事業のイメージパースを見ると、この高架線は新たに建設される「西館ビル」に再び“飲み込まれ”、ビルを貫通する形となるようです。

 いずれにしても、開業当時の在りし日の渋谷駅の面影が見れるのは、今だけ。ひょっこり顔を出した「駅舎」の姿から、戦前の渋谷の街の記憶に思いを馳せることができるかもしれません。