航空自衛隊も購入したイギリスの名機「バンパイア」が初飛行しました。

ジェット機開発の「ひとつの解」

 1943(昭和18)年の9月20日。イギリスのデ・ハビランド社が開発した戦闘機「バンパイア」が初飛行しました。

 ジェットエンジンが考案され、実用化が模索されていた時代。どうすればジェットエンジンが生み出す推力を効率的に飛行に生かせるのか、試行錯誤が続いていました。

 先に開発されたドイツ製のメッサーシュミット「Me262」やイギリス製のグロスター「ミーティア」といったジェット戦闘機は、旅客機のように左右の主翼下にジェットエンジンをぶら下げたもの。しかし重さや操縦性に問題があり、最適解とは言えませんでした。

 それに対し、別の解となったのが、この「バンパイア」です。米粒形の短胴から、後ろに長く伸びた、F1のリアウィングのような尾翼。上から見ると漢字の「立」にも似た、今では異質に映る造形となっています。

 バンパイアが生んだ「短胴+リアウィング」というスタイルは、同社の後継機「シービクセン」「ベノム」にも採用されていきました。ただ、その後デ・ハビランド社は買収されたため、航空機メーカーとしての歴史は終了しています。

 試行錯誤の結果である「バンパイア」ですが、実戦ではそれなりに使い勝手がよく、量産されて多くの国で運用されていきました。日本も戦後、ジェット戦闘機を国産開発する際、その参考として本機の練習機型であるT.55、通称「バンパイア・トレーナー」を1機購入しています。

 日の丸を付けた同機は、2022年9月現在、浜松基地で保管されています。