渋谷駅西口の再開発で、銀座線にあった開業時の構造物が露出していましたが、再び足場が組まれています。今後この構造物はどうなるのでしょうか。

その歴史は1930年代に

 かつて東急百貨店のビル内に「突っ込む」形で存在していた、東京メトロ銀座線の渋谷駅。駅は2020年に明治通りをまたぐ位置へ移転しましたが、もとの駅構造物は、ビルとともに残されていました。

 それが2022年夏頃、駅前再開発とともにビルが解体撤去され、銀座線の旧駅の鉄筋コンクリート構造物が、白日の下にあらわになっていました。

 この構造物は、まだ渋谷駅がビルに吸収される前、「高架駅」だった頃のものです。つまり開業時の1938(昭和13)年からある、戦前昭和の構造物でした。半世紀の月日を経て再び人々の前に姿をあらわしたこの旧渋谷駅は、一時期話題になりました。

 しかしまもなく、その構造物は9月に入ると、足場で覆われ、隙間からかろうじて見える状態になってしまいました。この先、この旧渋谷駅はどうなってしまうのでしょうか。

 工事を担当する東急に確認したところ、「足場を設置した箇所の銀座線部構造物に関しましては、今後、東京地下鉄さまと調整をしながら上部から順に解体を進めてまいります」との回答でした。残念ながら、戦前の構造物をじっくり観察できる時間は、わずかだったようです。

今後はどうなる?

 今後、足場が組まれている部分はどうなるのでしょうか。 

 銀座線は、京王井の頭線の駅のある「渋谷マークシティ」内に、車庫を持っています。渋谷駅西口で道路をまたいでいく「銀座線の高架橋」は、その車庫までの回送線なのです。つまり、この線路は、今後も無くなりません。

 東急の再開発計画を見ると、東急百貨店西館の跡地には、渋谷スクランブルスクエアのII期部分として、地上13階建ての新たな「西館」が誕生します。そして、そこからハチ公広場方面へ、この銀座線の回送線をまたぐ新たなデッキ「西口アーバン・コア」が建設される予定となっています。

 現在は、まず銀座線の高架線を「丸裸」にする段階と言えるでしょう。パース図では詳細を把握することは難しいですが、銀座線がふたたび「建物の中に隠れる」姿になることは確実なようです。