東名高速の伊勢原JCTでは、接続する新東名への案内に「新東名」の名前が書かれていません。それには、事業が進む新東名の進捗事情があります。

案内標識には「終点」

 開通前は「第二東名」とも呼ばれた新東名は、今や東名のバイパスとして静岡・愛知県内の渋滞緩和に大きく貢献しているほか、2022年現在は神奈川県側も部分開通しています。

 現在、東名の東京方面からきたクルマが最初に遭遇する新東名との分岐点が、伊勢原JCTです。しかし同JCT手前の案内看板には、新東名の「し」の字もありません。右方向は東名・名古屋方面、左方向は「終点」「新秦野 出口」と表記されているのです。新東名の開通間もない区間を目当てにしていると、多少まごつくかもしれません。

「新東名」の名前を出さないようにしている理由について、NEXCO中日本の広報担当者は「新東名に未開通区間があることをご存知ない方が誤解しないため」と話します。第二の名古屋行きルートと思って走ると、新秦野ICで高速道路が途切れ、下道で東名の大井松田ICまで行くハメになった……という"悲劇"を防ぐための配慮のようです。

 伊勢原と秦野へ行くドライバー以外は、なるべく通らないほうがいいです――そんな扱いを受けている、神奈川県内の新東名。では、これが晴れて御殿場まで全通を迎えるのはいつ頃になるのでしょうか。

 神奈川県内の新東名は、2022年4月に伊勢原大山IC〜新秦野ICが延伸開通し、残るは新秦野IC〜新御殿場IC間のみで、全通まではあと25kmのところまで来ています。

 最後の区間の開通予定については、当初は「2020年度」で、のちに「2023年度」に延期され、昨年12月にふたたび延期。開通見込みは未定となっています。

 延期の理由は、立ちはだかる断層破砕帯の存在です。3年前の橋脚構造の変更に続いて、昨年はトンネル掘削現場での掘削断面変形や湧水の発生で、安全に施工をおこなうための工程精査をせざるを得なくなったのです。

 全通後に伊勢原JCTの案内看板はどうなるのかという質問には、「まだ決定事項が無いため、お答えできません」とのことでした。しかし、「終点」の文字は隣の「東名」に匹敵するサイズで記載され、いつか「新東名」と上書きされるのを待っているようにも見えます。