海上自衛隊創設70周年を記念した国際観艦式に合わせて、東京湾内の各港で自衛艦の一般公開が実施されています。なかでも注目は横浜ハンマーヘッドでの潜水艦「たいげい」の公開。就役したばかりの鉄鯨を見学できるチャンスなんてそうありません。

前日の入港時も注目集めていた「たいげい」

 海上自衛隊の最新鋭潜水艦「たいげい」が2022年11月2日、横浜港・新港埠頭客船ターミナル(横浜ハンマーヘッド)に接岸しました。国際観艦式に伴って開催されているイベント「フリートウィーク」の一環として、11月3日から5日にわたって一般公開するために来航したものですが、「たいげい」が新港埠頭の岸壁に入るのは初めて。非常に珍しい潜水艦の入港を間近で見られるということもあって、平日にもかかわらず横浜ハンマーヘッドには多くの見物客が訪れていました。

「たいげい」は、3000トン型と呼ばれる、たいげい型潜水艦の1番艦として三菱重工業神戸造船所で建造され、2022年3月9日に就役しました。建造予算は728億円。前型のそうりゅう型潜水艦の後継で、より被探知防止性に優れた船体構造を持っています。また、動力源はディーゼルエンジンとリチウムイオン蓄電池を組み合わせたディーゼル電気推進が採用されており、水中持続力や速力の向上も図られています。

 外観形状は、そうりゅう型とほぼ変わりませんが、探知能力の性能を上げた新型のソナーシステムや、各種機器から得られた情報を最大限に活用できる戦闘管理システムなど新規装備品を搭載するため、艦内区画が大幅に見直されているのが特徴です。加えて、設計当初から女性自衛官の乗艦を想定したことで、居住区内に仕切りなどを設け女性用寝室を確保するとともに、シャワー室の通路にカーテンを設けていることもポイントです。

 このため基準排水量は、そうりゅう型と比べ50〜100トンほど増えて3000トンとなり、ディーゼル推進の通常動力型潜水艦としては世界最大級となりました。

潜水艦だけじゃない、横浜で披露される各種レア艦たち

 たいげい型潜水艦は2022年11月現在、6番艦までの建造が決まっており、すでに2番艦「はくげい」が2021年10月に川崎重工業神戸工場で、3番艦「じんげい」が2022年10月に三菱重工神戸造船所で進水済み。7番艦も2023年度の概算要求に計上されています。次世代の海上防衛を担う主力潜水艦として、22隻体制となった海自潜水艦部隊を支えることになります。

 今回は現役かつ就役したての最新鋭潜水艦が、レストランのテラス席が並ぶ商業施設の真横に接岸し、しかも一般公開を行うという非常に珍しい機会です。甲板に上がらなくても横浜ハンマーヘッドのデッキや、カップヌードルミュージアムパークなどから横浜みなとみらいの風景と一緒に、セイルやX舵を眺めるだけでも、楽しむことができます。

 また、新港埠頭では対潜能力に特化した護衛艦「しらぬい」の一般公開も同じく11月3日から5日にかけて行われます。「しらぬい」は青森県むつ市の大湊基地を母港としているため、東京湾ではまず見かけることのない艦船です。

 このほか大さん橋では11月3日にヘリコプター搭載護衛艦「いずも」、5日に最新護衛艦「くまの」の公開も予定されています。ほかにも横浜の山下埠頭では、11月3日と5日に護衛艦「あたご」と輸送艦「くにさき」の公開を予定しています。なお、「あたご」は北朝鮮の弾道ミサイルなどに対処可能なイージス艦として建造された護衛艦です。安全保障の最前線に触れる良い機会といえるでしょう。

 このように、「フリートウィーク」は普段なかなか見ることのできない自衛隊艦船を乗船見学できるチャンスです。時間があれば、ぜひ行ってみてはいかがでしょうか。