渋谷駅では大規模な再開発工事が進行中です。高層ビルが次々と姿を現すなか、駅の東西エリアを結ぶ通路も整備されつつあります。駅の東西の分断は、どう解消されるのでしょうか。

東側地区と西側地区を阻む「魔窟」渋谷駅

 渋谷駅で進む大規模な再開発工事。駅南側の桜丘口地区をはじめ、つい最近まで更地だった場所にも、いつの間にか高層ビルが姿を現しつつあります。

 その再開発で期待される変化の一つが「渋谷駅の西側と東側の行き来がしやすくなる」ということです。

 現在、JR渋谷駅を越えて東西が行き来できるのは、北から順に以下のアプローチがあります。

●【地上】スクランブル交差点から宮益坂へ向かうガード下。
●【空中】渋谷マークシティ(井の頭線)からマークシティ通路、しぶにしデッキ、銀座線西改札(スクランブルスクエア方面改札)、明治通り上の空中通路を経て渋谷ヒカリエに到達。
●【地上】東急百貨店南館(旧西口バスロータリー前)から、白い工事仮囲いを抜けて、JR南改札を経て、スクランブルスクエアと銀座線の隙間に到達。
●【地上】国道246号の歩道。

 いずれも直感的にずいずいと進んでいけば、いつの間にか反対側に抜けられるようになっていますが、道路沿いの地上コース以外は、頭で理解するのが難解です。

再開発で「JRの上層部分」が東西橋渡しに

 再開発工事では、これらに加えて、銀座線から首都高まで山手線の上部をまるごと覆い尽くす巨大なペデストリアンデッキが整備予定です。銀座線改札周辺は幅の広い東西自由通路となり、山手線の3階コンコースを中心に、スクランブルスクエア・ハチ公広場・桜丘口(国道246号南側)を自由につなぐことになります。

「JR渋谷駅で下車したら、とりあえず階段で3階に上がれば、東西南北どのエリアへもまっすぐ行ける」――再開発後の渋谷駅は、そんな構造になります。

 さらに、国道246号から猿楽橋まで約600mにわたり東西が線路で完全に分断されていた渋谷駅南側地区にも、移動手段が新設されます。まずは、山手線ホーム南端付近で渋谷ストリームと桜丘地区をむすぶ空中通路が設置されます。さらに、旧埼京線ホームを通じて南に外れた「新南口」橋上駅舎から線路西側へ跨線橋が整備され、駅南部の東西移動が飛躍的に向上します。

 11月現在で、南北自由通路付近の「巨大な覆い」は、大部分の骨格が姿を現しつつあります。

 ちなみに、JRホームの原宿側もほとんど覆われて空が見えなくなっていますが、こちらは東西自由通路ではなく、3階デッキが北側へ張り出した部分にすぎません。東口バスロータリーのある空間は、最終形態もバスロータリーとなる予定です。宮益坂下交差点より北側、ビックカメラ方面へは、今と変わらず地上を歩いて移動するのが主流となりそうです。