アメリカ大リーグで活躍し、8日に開幕したWBCでも活躍が期待される大谷翔平選手。ところで「大谷」が含まれる鉄道駅は、いったいいくつあるのでしょうか。

世界が注目する2文字「大谷」

 アメリカのメジャーリーグで活躍する大谷翔平選手が、2023年3月8日開幕のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で日本代表の一員として参加。6日の強化試合でも2連続3ランホームランを放って日本中の度肝を抜いています。

 連日ニュースやSNSで「大谷」の文字を見ない日は無いほど。ところで数ある鉄道駅のうち、「大谷」という名前の駅はどこかにあるのでしょうか。

●大谷駅(和歌山県かつらぎ町、JR和歌山線)

 1952(昭和27)駅に開業。奈良県の王寺駅と和歌山県の和歌山駅をむすぶ87.5kmのJR和歌山線のおよそ中間に位置する駅です。ホームが1本あるだけの無人駅で、1日に23往復の列車が停車します。

 桜井線との接続駅である高田駅から数えると16駅目、奇しくも日本代表での大谷選手の背番号「16」と同じです。

●阿波大谷駅(徳島県鳴門市、JR鳴門線)

 1961(昭和36)年開業。高徳線の池谷駅から分岐した隣にあります。バス停のような簡素な駅で、周辺は徳島の特産である伝統工芸品「大谷焼」の窯元となっています。

●大谷駅(滋賀県大津市、京阪京津線)

 1912(大正元)年に開業。三条京阪から山科を経由して琵琶湖に面した浜大津までをむすぶ京津線にあって、立ちはだかる峠越えの途中に設けられました。

 この大谷駅は「日本一急勾配の駅」という称号を持っています。ホーム自体が40パーミルもの勾配となっていて、ベンチは座る部分が水平ですが、その代わり脚の長さが左右で大きく異なっているほどです。軌道の建設において規定される勾配を大幅に超過しているものの、その立地条件から当時の特例で設置が認可されたといいます。

 大谷駅を発車した大津方面行き電車は、最大61パーミルという日本でも有数の急勾配で一気に標高を下げ、大津市街の路面電車区間へ入っていきます。そんな「山岳路線」の京津線ですが、ここに京都市営地下鉄東西線から電車が乗り入れてきます。ひとつの列車の車窓で地下鉄・登山鉄道・路面電車の3つの顔を持つ、日本でも特異な体験をすることができます。

ほかにも「大谷」駅は古今東西各地に

●大谷地駅(おおやち、札幌市厚別区、札幌市営地下鉄東西線)

 1982(昭和57)年に開業。宮の沢駅から「16番目」に位置する駅で、2駅先が終点の新さっぽろ駅で、JR千歳線に接続しています。

 かつては千歳線の旧線が、苗穂駅の先で南東へぐるりと回り込み、東札幌から大谷地まで今の地下鉄に近いルートで走っていました。近くに大谷地駅もありました。この旧線は1973(昭和48)年に現在のルートに切り替えられ、廃止。自転車道「陽だまりロード」として、かつての鉄路の面影を残しています。

●大谷海岸駅(おおやかいがん、宮城県気仙沼市、JR気仙沼線BRT)

 1957(昭和32)年に開業。かつては「大谷駅」でしたが、1997(平成9)年に改称しています。駅名のとおりホームのすぐ横が砂浜でした。東日本大震災で被災し、BRTとして再出発することとなりました。現在は道の駅「大谷海岸」の敷地内にバス停があります。

●大谷向駅(だいやむこう、栃木県日光市、東武鬼怒川線)

 1917(大正6)年開業。東武日光線の下今市駅から合流して大谷川を渡ったすぐ先にあります。ホーム自体が国の登録有形文化財に指定されている珍しい駅で、特急「リバティ」も停車します。

 その他、JR気仙沼線を転換したバス路線「気仙沼線BRT」にも、大谷海岸、大谷まちの2駅があります。

●大谷駅(おおたに、滋賀県大津市、東海道本線旧ルート、1921年廃止)

 東海道本線の京都〜山科間は、約100年前まで、東山山脈を避けて南側へ大きく迂回するルートをとっていました。さらに山科〜大津間でも現在のトンネルではなく、南側の、現在の京津線と国道1号に沿ったようなルートでしたが、そこにあったのが国鉄大谷駅です。旧線はトンネル技術が発達するまでの関西〜関東の大動脈を担いましたが、現ルートへの切り替えで1921(大正10)年に廃止されました。

 ちなみに、3月10日に日本のWBC2回戦の対戦相手となる韓国にも、大谷駅は存在します。ひとつはソウル駅から中朝国境方面へのびる京義電鉄線に、もうひとつは中南部の都市・大邱(テグ)の地下鉄1号線にあります。

 また、現在の中央線の御茶ノ水〜神田間には、「昌平橋(しょうへいばし)」という駅がありました。前身の甲武鉄道が万世橋駅、そして東京駅まで延伸するまでの一時的なターミナルで、1908年(明治41年)から4年間だけ存在していました。