横長で青地のナンバープレート、いわゆる「外交官ナンバー」は、大きく4つの種類がありますが、よく見かける四輪車用とは別に二輪車用もあるのだそう。二輪車用には一般なら装着する必要のない封印まで付くみたいです。

外交官ナンバーの「種類」とは

 公道を走る場合、基本的には自動車の前後に「自動車登録番号標」、いわゆる「ナンバープレート」を取り付ける必要があります。黄色や白、緑や黒の板に地名やひらがな、数字が並んだものが一般的(一部アルファベット有)ですが、中には青地の板に「外」などの文字が書かれたものもあります。

 これは「外交官ナンバー」などと呼ばれるものです。東京や大阪などでよく見かけますが、これを取り付けるのは、外国の大使や領事といった外交官が使う車両で、その見た目から「ブルーナンバー」と呼ばれたりもします。

 この青地プレートに書かれる文字は「外」「領」「代」の3種類。「外」と「領」はそれぞれ外交団や領事団が、「代」は外国代表部や国際機関が使うクルマですが、実は、外交官ナンバーはもう1種類存在します。

 それは「○で囲まれた“外”」のナンバーで、特命全権大使、つまり大使館のトップが使う公用車を指します。同じ外交団の車両でも大使が使うクルマは区別されているのです。

 このように特殊なものであるため、所管する官庁も一般的なナンバープレートの場合は国土交通省なのに対して、外交官ナンバーは外務省と異なっています。ゆえに、普通自動車などでよく見かける封印も、外交官ナンバーの車両は専用のものが用いられています。

オートバイなのに封印!? その意外なワケ

 一般的な登録自動車の封印は、東京都であれば「東」、神奈川県であれば「神」など、その車両を登録した場所を管轄する陸運局のものが取り付けられます。では外務省が管理する外交官ナンバーの場合はどうなるかとなると、「外」の字の封印が取り付けられます

 ちなみに、この外交官ナンバー、軽自動車やオートバイすなわち自動二輪車にも適用されます。最近では2022年7月にティムラズ・レジャバ駐日ジョージア大使が公式ツイッターで公開して話題になりました。

 ただ、オートバイの場合、ナンバープレートの封印はいらないのに、外交官ナンバーを取り付けた当該車両はあえて封印が付いており、なおかつ四輪車のものとは異なる形状でした。

 これは、一概にナンバープレートといっても、一般的なオートバイのものは「自動車登録番号標」ではなく「車両番号標」というものになり、異なる扱いを受けるからです。対して、外交官ナンバーの場合は、その区別がなく、四輪車と同じ外務省管理のものとなるため、二輪車であっても封印が付くのです。

 なお、こうした外交官ナンバーのクルマは不可侵権と治外法権が認められていますが、その「外交特権」を背景に、駐車違反やその違反金の踏み倒しなどが問題となっています。外務省は国内法を尊重するよう各国に直接申し入れを行い、違反の件数は2018年からの3年間で3分の1ほどに減少しましたが、2021年からは、違反金などが未納の場合にガソリン税の免税措置を講じない対策に踏み切っています。