首都高などの都市高速で、自転車や原付の進入が増えて管理者が頭を抱えていますが、NEXCOの道路でも同様のようです。立ち入りの通報件数が増加し、様々な対策を打っています。

NEXCOの道路でも“クルマ以外の”誤進入が問題に

「あ、高速道路で人が歩いている!」といったことが多いのでしょうか。NEXCO東日本がウェブサイトで、本線への“人等”の立入り通報件数が増加傾向にあり、各種対策を行っていると紹介しています。

 同社によると、“人等”とは、「歩行者、自転車、原付等」を指すといいます。自転車のほか原付も基本的に自動車専用道を走行することはできません。歩行者はもってのほか、自転車や原付も、走行するクルマとの速度差が極めて大きく、とても危険な行為です。

 NEXCO東日本管内における“人等”の立入り件数は、2021年度に1189件。その内訳は歩行者286件、自転車156件、原付737件だそう。歩行者は減少傾向にあるものの、自転車や原付は増加傾向にあるといいます。

 ただし、これらの数字は、高速道路に立ち入り「保護された」事案の件数です。以前、首都高を取材した際、同社の場合は年間400〜450件との話でしたが、同様に保護された案件の件数であり、実際には“氷山の一角”でしかないようです。

 NEXCO東日本によると、「自転車・原付等については増加傾向にあり、ナビアプリの誘導によって立入事案が増加しているものと考えられます」とのこと。ナビアプリによって自動車専用道へ導かれる案件は首都高でも頭を抱える問題でしたが、NEXCO東日本も「立入事案の多くは都市部で発生しており、京葉道路や横浜新道などで発生件数が多くなっています」とのことから、やはり都市部の路線で多いようです。

「歩行者」についてはどうでしょうか。NEXCO東日本は、保護された歩行者への聞き取りや保護時の様子を踏まえ、「道間違い」「認知症など何らかの疾患の疑い」など様々な要因や状況があるとしつつ、「本線、IC、休憩施設などから進入する事があります」としています。

 同社は対策として、高速道路の出入口に進入禁止(注意喚起)看板を設置したり、出入口路肩部に“進入禁止ポール”とイラストを用いた路面シールを施工したりするほか、路面標示や横断幕による誘導の強化、原付・自転車を対象とした注意喚起のチラシ配布などを行っているそうです。