F35Bを最大限活用できそう。

「VSTOL用バージ(はしけ)」とは?

 防衛装備庁は2023年5月8日(月)、「STOVL用バージ(はしけ)の整備に関する調査研究」という業務の契約希望者を選定するため、募集要項を公示しました。

 現時点ではバージ(はしけ)とSTOVL(短距離離陸・垂直着陸)機を、どのような形で組み合わせ運用するかは不明であるものの、公告文には応募に必要な資格として「航空自衛隊が艦艇において運用する飛行機等の運用環境の知識(施設基準・特有の性能等)を有していること」「海上自衛隊の“いずも”型護衛艦特別改造の設計及び建造に関する実績を有すること、又は実績を有する者との技術提携等により、この調査研究に必要な実施体制を構築することができること」という要求項目が記されています。

 防衛省は現在、海上自衛隊が保有するヘリコプター搭載護衛艦「いずも」「かが」の2隻を、F-35Bが運用できるよう空母化する改装を進めています。F-35Bは航空自衛隊が導入を予定しているSTOVL機で、滑走路が短い離島の空港やヘリポートなどで運用することが可能です。
 
 前出の公告文の内容と、海上自衛隊の「いずも」「かが」の改装内容から推察するに、STOVL用のはしけで運用しようとしている航空機はF-35Bだと考えられます。陸上の滑走路やヘリポートと異なり、移動させることが可能なSTOVL用のはしけからF-35Bを運用することが可能になれば、航空自衛隊の戦闘機運用はより柔軟になるでしょう。

 画期的な新戦闘機であるF-35Bを最大限有効に活用できる調査研究が今後、どのように進捗するか、その動向が注目されます。