ルーマニアも着々と兵器を西側規格に切り替えへ。

ヨーロッパ3か国目の導入に

 ルーマニア議会下院の国防・公安・国家安全保障委員会は2023年5月18日、同国国防省が要求していたアメリカ製M1エイブラムス戦車の購入について、予算承認を下しました。

 ルーマニア国防省はかねてより、陸軍戦力の向上を目指して新型戦車の導入を目指していました。そのようななか、今年3月にはアメリカから中古のM1A2「エイブラムス」戦車の導入を進めていると発表、そのための購入予算を翌4月に議会へ提出しています。

 今回、承認されたのはその分で、数は1個大隊分の54両とのこと。なお、このうち12両はアメリカ陸軍の予備保管分が回される予定だと言います。

 購入金額は1億ユーロ(日本円で約149億円)で、このなかには付帯装備や整備部品なども含まれるそうです。

 ルーマニア陸軍には現在、旧ソ連製のT-55戦車が約100両、T-55を基に独自開発したTR-85が約200両、そのアップグレード型であるTR-85M1が約50両あります。ただ、これらは周辺諸国が保有するドイツ製「レオパルト2」戦車などと比べると旧式で、性能的に見劣りするものであったことから、このたびのM1「エイブラムス」導入となりました。

 これによりルーマニアは、ヨーロッパ域内ではポーランド、ウクライナに次ぐ3番目のM1「エイブラムス」導入国となります。