東海道・山陽・九州新幹線の各駅について、影が薄いと思う駅はどこか聞きました。住んでいる土地柄 偏ることも考慮し、回答者の居住地別でも集計しましたが、大勢は変わりませんでした。

「降りたことがない」と「影が薄い」は別物!?

「乗りものニュース」では2023年6月30日(金)から7月3日(月)にかけて、東海道・山陽・九州の各新幹線で利用したことがある駅アンケートを実施。1504人から回答が集まりました。

 ここで「降りたことがある」が少なかった駅を見ると、少ない方から順に新大牟田(3.4%)、新玉名(3.5%)、新水俣(4.5%)、筑後船小屋(6.3%)、出水(6.5%)、東広島(8.3%)、厚狭(9.2%)、新尾道(10.3%)、川内(10.7%)、新岩国(13.7%)という結果に。

 ただ、それに続いて「影が薄いと思う駅」を尋ねると、必ずしも「降りたことがない駅」と一致するわけではありませんでした。3%(50人)以上の回答があった駅を列挙します。

【質問】東京〜鹿児島中央間の、東海道・山陽・九州の各新幹線駅で、影が薄いと思う駅はどれですか。5つまで選択してください。

【結果】
・厚狭(58.0%)
・筑後船小屋(39.6%)
・三河安城(33.8%)
・相生(32.6%)
・東広島(32.4%)
・新玉名(30.9%)
・新富士(29.1%)
・新尾道(25.1%)
・掛川(23.6%)
・岐阜羽島(23.1%)
・新大牟田(16.2%)
・新岩国(13.6%)
・三原(11.4%)
・出水(10.4%)
・新倉敷(8.2%)
・西明石(8.1%)
・新水俣(7.2%)
・三島(6.4%)
・徳山(5.1%)
・川内(3.3%)

 厚狭(山口県山陽小野田市)がダントツの得票率でした。ちなみに、前回 東海道新幹線に限ってアンケートをとった際のトップは三河安城で、続いて新富士、掛川、岐阜羽島、三島……でした。今回もその順序に変化はないようです。

東京駅にも4票が…

 ただ、回答者の居住地によって偏る可能性があることも考慮し、今回は回答者の住む地方も質問しています。上記回答を東日本(北海道・東北・関東・中部地方)と西日本(近畿・中国・四国・九州・沖縄地方)在住者に分けると、結果は以下の通りでした(いずれも10駅を列挙)。

【東日本在住者】
・厚狭(56.5%)
・筑後船小屋(38.4%)
・相生(34.5%)
・東広島(34.3%)
・三河安城(31.6%)
・新玉名(30.3%)
・新富士(29.5%)
・新尾道(24.3%)
・岐阜羽島(23.9%)
・掛川(21.6%)

【西日本在住者】
・厚狭(61.0%)
・筑後船小屋(41.8%)
・三河安城(38.2%)
・新玉名(31.9%)
・相生(28.9%)
・東広島(28.5%)
・新富士(28.3%)
・掛川(27.7%)
・新尾道(26.9%)
・岐阜羽島(21.5%)

 大勢に変化はありませんが、知名度の観点からも、居住地でない地方の駅がより上位にランクインする傾向がありました。なお、得票数が5票以下(率にして0.3%以下)の駅は東京、新神戸、熱海、広島、鹿児島中央、名古屋、京都、姫路、小倉、熊本、新大阪、岡山、博多で、0票だったのは新大阪、岡山、博多のみでした。

 新大阪と博多は中間駅のイメージを持たれがちですが、東海道・山陽・九州すべての新幹線が直通するという意味では、東西の終点である東京や鹿児島中央よりも行先表示などで目に触れる機会が多く、より多く認知されているのかも知れません。

「影が薄い」と思う理由を聞いた

 続いて、それぞれの駅を選んだ理由を質問。各駅について、いくつかを紹介します。

●厚狭
・駅名を知らなかったから(20〜24歳 男性など多数)
・読めない(60〜64歳 男性など複数)
・どこにあるか分からない(50〜54歳 男性など複数)
・いつも通過している(20〜24歳 男性など複数)
・選択肢を見るまで思い浮かばなかったから(35〜39歳 男性など複数)
・降りたことがない(45〜49歳 女性など複数)
・メディアなどでも名前を聞かない(45〜49歳 男性)
・「地味な駅」という自虐ネタでさえ聞かない(男性)
・1度下車したことがあるが、人がいなかった(55〜59歳 男性)
・在来線のイメージ(70歳〜 男性)

●筑後船小屋
・駅名を知らなかったから(50〜54歳 男性など多数)
・選択肢を見て初めて知った(45〜49歳 男性など複数)
・速達列車が停車しないから(25〜29歳 男性など複数)
・周囲が閑散としている(50〜54歳 男性など複数)
・話題にもならないから(30〜34歳 男性など複数)
・駅名のイメージで選んだ(〜19歳 男性)

●三河安城
・駅名を聞く機会がないから(65〜69歳 男性など多数)
・「こだま」しか停車しないから(35〜39歳 男性など多数)
・降りたことがない(55〜59歳 男性など複数)
・観光地や景勝地と駅名が結びつかない(55〜59歳 男性)
・ほぼ名古屋ではないか(40〜44歳 男性)

●相生
・聞いたことがなかったから(25〜29歳 男性など多数)
・とにかく通過されるイメージ(30〜34歳 男性など複数)
・降りたことがない(55〜59歳 男性など複数)
・大きな駅に挟まれて印象が薄い(25〜29歳 男性など複数)
・閑散駅だと思う(45〜49歳 男性)
・メディアなどでも名前を聞かない(45〜49歳 男性)
・兵庫県だっけ、岡山県だっけ(40〜44歳 女性)

●東広島
・印象が薄かったから(50〜54歳 男性など多数)
・周囲に何もない(〜19歳 男性など複数)
・在来線が通ってないから(35〜39歳 男性など複数)
・降りたことがないから(25〜29歳 男性など複数)
・聞いたことあるようでないから(50〜54歳 女性)
・選択肢を見て、駅があることを思い出した(45〜49歳 男性)
・駅名を順番に思い出した時、飛ばしてしまう(40〜44歳 男性)

6位から「新○○」3連続

●新玉名
・知らなかったから(25〜29歳 男性など多数)
・パッと出てこない駅(40〜44歳 男性など多数)
・速達列車がほぼ停車しないから(25〜29歳 男性など複数)
・新幹線単独駅であり、市街地から離れたところにあるため(35〜39歳 男性)
・下車した時、新幹線駅なのかと思うほど閑散としていた(60〜64歳 男性)
・周辺に何もないから(〜19歳 男性)

●新富士
・「こだま」しか停車しないから(45〜49歳 男性など多数)
・新幹線単独の駅(45〜49歳 男性など複数)
・降りたことがないから(25〜29歳 男性など複数)
・そこに何があるかも思い浮かばない(40〜44歳 男性)
・在来線の富士駅に埋もれている気がする(50〜54歳 男性)

●新尾道
・印象が薄かった(50〜54歳 男性など多数)
・市街地から離れている(25〜29歳 男性など複数)
・「こだま」など各駅停車タイプの列車しか停車しないから(50〜54歳 男性)
・周辺に何もないから(40〜44歳 男性など複数)
・尾道へ行く際は、「のぞみ」を福山で降りて在来線で向かう方が圧倒的に便利(25〜29歳 男性)

●掛川
・「こだま」しか停車しないから(55〜59歳 男性など複数)
・名前を見て、あ!あったな!と感じた駅(35〜39歳 男性)
・場所がどの辺りか分からない(45〜49歳 男性など複数)
・降りたことがないから(55〜59歳 男性など複数)

●岐阜羽島
・知らないから(50〜54歳 男性など多数)
・「のぞみ」が停車しないから(25〜29歳 男性など複数)
・観光名所が思い浮かばない(50〜54歳 男性など複数)
・下車したことがないから(45〜49歳 女性など複数)
・周囲に何もない(55〜59歳 男性)
・岐阜と付くが、県庁所在地の岐阜市には遠すぎるから(30〜34歳 男性)

 ちなみに三河安城について、「むしろ影が濃い」といった意見もいくつか見受けられました。「のぞみ」では名古屋到着前に「三河安城を定刻通り通過しました」と車内放送が流れるので耳にしたことがある、「影が薄い」とネタにされ知ってしまった、というものでした。

●アンケート実施概要
・調査期間:2023年6月30日(金)18時半から7月3日(月)14時まで
・調査方法:Questantのシステムを利用して調査
・対象:「乗りものニュース」のSNS(Twitter、Facebook)のフォロワーなど
・有効回答数:1504