ビッグモーターの保険代理店登録が取り消されることが現実になりました。保険会社からの再建に向けた支援も期待できず、同社は極めて厳しいかじ取りを強いられることになります。

中古車販売以外の業務がほぼできない状態に

 ビッグモーターの保険代理店登録の取消が現実になりました。鈴木俊一金融担当相は2023年11月14日の閣議後会見で、「11月30日を持って損害保険代理店の登録を取り消す方針を固めた」と、語りました。同社は契約者に対して代理店の移管手続きを進めていますが、同日時点で、手つかずの保険契約があると話しています。

 保険業法に基づくビッグモーターの損害保険代理店としての登録取消手続きをめぐり、同日、関東財務局が同社に代理店取消処分を前提とした聴聞通知を実施し、21日に聴聞が行われます。この通知はビーエムホールディングス、ビーエムハナテンについても実施されました。行政処分に異議がある場合に、同社社員や代理人が意見陳述します。

 金融庁は9月19日から11月10日までビッグモーターの本社や店舗に対して立入検査を実施。保険業法上の損害保険代理店としてのガバナンス上の不備や、顧客保護に欠ける悪質な行為の実態、組織的な働きかけについて重点的に調査してきました。鈴木担当相はこう結論付けました。

「会社法上求められる経営管理体制が構築されておらず、適正な保険募集を確保するための体制整備も行われていない」

 ビッグモーターは取材に対して、いまだ同社で契約した自動車保険で、移管手続きが完了していない契約があると話します。これらの移管作業は保険会社の責任で継続されます。鈴木担当相は、保険会社の対応も行政処分の中で考慮されたことを話しました。

「今後、保険会社との代理店委託契約は全て解約が予定され、保険会社からの再建に向けた支援も期待できないものと判断した」

 ビッグモーターは、金融庁の代理店登録取消の方向性について、「現時点で当社としてお伝えできる事実はございません。金融庁、関東財務局の指示に従い適切に対応して参ります」と回答しました。

 同社は、すでに国土交通省から道路運送車両法に基づく自動車整備の事業停止などの行政処分を受けています。中古車販売以外の関連事業がほぼできない状況に追い込まれ、極めて厳しい経営を強いられます。