見た目は可愛い系ですが、中身は果たして…。

今後は訓練飛行へ

 宅配大手のヤマトホールディングスとJAL(日本航空)グループが2024年4月11日から運航開始を予定している貨物専用機。この「ヤマトの貨物機」初号機である「JA81YA」の外観・機内が、2023年11月20日に報道陣へ公開されました。

「ヤマトの貨物機」は、国内航空会社では初導入となる「エアバスA321ceoP2F」というモデルが用いられます。尾翼には「クロネコ」のロゴが大きくあしらわれ、胴体はグレーをベースに、前方に大きくヤマトホールディングスのロゴマークが描かれています。

 この機はJALのグループ会社のLCC(格安航空会社)のジェットスター・ジャパンのほか、中国・春秋航空をはじめ、世界の多くの航空会社が導入する「エアバスA320」シリーズの姉妹機で、A320より胴体延長が図られた「A321」をベースとします。A321ceoP2Fは、中古のA321旅客機を貨物専用機に改修したもの。1機あたりの最大搭載重量は28t(10t車約5〜6台分)で、床下貨物スペースに航空コンテナの搭載が可能です。

 初号機の貨物機への改修作業は2023年5月よりシンガポールで行われ、11月6日に成田空港に到着。計画では今後、パイロットの飛行訓練が開始され、成田空港、北九州空港、関西空港に飛来する予定です。

なぜ貨物機? 「ヤマトの貨物機」の就航空港は

「ヤマトの貨物機」の運航は、JALグループのLCC(格安航空会社)、スプリング・ジャパンが担当します。同社の米澤 章社長によると、国内のLCCが貨物機を運航するのは初めてとのこと。「ピカピカの機体に社員一同、ワクワクドキドキが止まりません。意義のある事業なので、しっかりやっていければと思います」(米澤社長)

「ヤマトの貨物機」最終的に3機体制となり、2024年4月から成田〜新千歳・北九州・那覇の3空港へ1日9便のダイヤで就航。さらに同年夏を目処に羽田発着の深夜便を開設し、1日13便体制となる予定です。首都圏から北海道・九州・沖縄地域への国内長距離航空輸送を担います。なお、2社によると、2号機と3号機も現在、改修作業が進められているとのことです。

 ヤマトグループなどの物流事業者は、通販サイト需要の拡大、モーダルシフトなど環境に配慮した取り組みの推進はもちろん、2024年4月から自動車運転業務の年間残業時間が上限960時間になることなどによる長距離トラックの輸送力の確保、代替手段の検討など、対処すべき課題を抱えているとしています。

 今回の「ヤマトの貨物機」は、これらの解決に向けた取り組みの一環で、新たな輸送手段として貨物専用機を活用することで、安定的な輸送力の確保やサービス品質の維持・向上を図る狙いがあるとのことです。

 ヤマトホールディングスの長尾 裕社長は「これからもさまざまな試行錯誤はあると思いますが、まずは安全な運航を最優先に、この新たなビジネスがみなさまの役に立てるよう精進していきたいと思います」とコメント。

 JALの斎藤祐二専務は「このプロジェクトは、JALがかかげるESG経営の”社会課題の解決”の取り組みのなかで中心的なものです。安全運航を保ちながら、新しい価値をつくっていければと考えています」としています。

 ちなみに、ヤマトホールディングス・JALなどの報道資料によると、将来的には貨物専用機の輸送力拡大も視野に入れているとのこと。もしかすると、今後これら空港以外でも「ヤマトの貨物機」が出現するかもしれません。