さいたま市が埼玉高速鉄道線の岩槻延伸に向けた取り組み状況を明らかにしました。概算建設費が以前の想定より増加したほか、検討手順も変更となるようです。

埼玉高速鉄道「岩槻延伸」概算建設費は約1300億円に

 さいたま市は2024年1月24日(水)、埼玉高速鉄道線の岩槻延伸に向けた取り組み状況を公表。2024年1月時点の概算建設費や、早期事業化に向けて鉄道・運輸機構と埼玉高速鉄道に技術支援を要請する方針を明らかにしました。

 埼玉高速鉄道は、国交省の交通政策審議会答申に「浦和美園から岩槻を経由して蓮田まで」の延伸が位置付けられており、先行整備区間として浦和美園〜岩槻間(約7.2km)の整備が計画されています。途中には「埼玉スタジアム駅」と「中間駅」を新設することが想定されています。
 
 市は2023年3月に中間駅周辺の将来像を示すまちづくり方針を策定。2023年度はこのほか、速達性向上計画の素案や費用負担案の決定、概算建設費・工期の算定、採算性試算を行ったうえで、鉄道事業者への事業要請に入るスケジュールを示していました。ただ、このスケジュールは遅れる見込みです。
 
 市によると、埼玉高速鉄道の浦和美園〜岩槻間の概算建設費(2024年1月末時点)は、約1300億円を想定。そのうち、自治体(県・市)の負担は約430億円、概算工期は18年程度としています。
 
 2017年度に開催された「地下鉄7号線(埼玉高速鉄道線)延伸協議会」では、概算建設費を860億円と見込んでおり、そこから440億円の増加となります。労務費や資材単価の変動といった社会的要因の影響、建設計画の深度化などが建設費の増加につながったようです。
 
 ただ、蓮田までの延伸を考慮した構造物の再検討や、作業ヤードを確保して施工効率を向上させることで、概算建設費の低減や工期短縮の余地があるとしています。

鉄道・運輸機構と埼玉高速鉄道に技術支援を要請へ

 市は、延伸計画の深度化に向けて、整備計画や収支計画、運行計画に課題があるとしています。延伸の早期着手を目指す上では、計画内容の精査を鉄道事業者が速やかに実施することが極めて重要だとして、それを前倒しすることで、関係機関との協議をより効率的に実施できるとしています。
 
 取り組みを確実に実施するため、市は鉄道・運輸機構と埼玉高速鉄道に技術支援を要請する予定です。2024年1月下旬に要請し、4月以降に委託契約を締結する見通しです。
 
 これまでの検討手順では、鉄道事業者への事業実施要請を行ってから整備計画や収支計画、運行計画の精査を行う予定でした。来年度以降は、これらの計画の精査を前倒しで行い、その後鉄道事業者への事業実施要請を行う流れに変更となる見込みです。