FDAの親会社が、スカイマークの筆頭株主となったことは、業界にとって寝耳に水の情報でした。ただ、今後の提携内容として想定されうるのが、「神戸空港の激変」です。

神戸では国際線対応にむけ準備進行中

 地域航空会社のFDA(フジドリームエアラインズ)をグループ会社に持つ、物流大手の鈴与ホールディングス(静岡市)が2023年11月、スカイマークの筆頭株主になりました。多くの航空関係者に「寝耳に水」の発表でしたが、これによって様子が大きく変わると予想されうるのが、神戸空港です。

 これまで鈴与グループは宮城県や沖縄県で、スカイマークの空港地上業務を一部請け負うなど協業関係がありましたが、地方空港間を結ぶリージョナル航空会社と、FSA(フルサービスを提供する航空会社)とLCC(格安航空会社)の中間に当たる中堅航空会社とは接点はありませんでした。

 そうなると、2つの航空会社がどのように提携するかは当然話題になります。ただ、何が起こるかの詳細の発表はだいぶ先になるでしょう。

 鈴与がスカイマークの筆頭株主になったことによる具体的な提携は現状明らかになっていません。しかし、神戸空港には両航空会社が乗り入れており、スカイマークにとって関西の拠点のひとつです。そして、2社は神戸をハブ空港化する考えがあるとも報じられています。

 そのようななか、神戸空港では2025年の供用へ向けて、国内・国際線一体型の新たなサブターミナルビル整備が進められています。

 2つの航空会社をつなぐ「鍵」となりそうな神戸空港における2社の就航路線を見てみると、FDAは松本空港(長野県)や青森空港などを結び(路線によっては一部の期間運休)、スカイマークは羽田や新千歳(北海道)、鹿児島、那覇(沖縄)線などを持っています。機材は、FDAが76席のエンブラエルE170と84席の同E175。スカイマークが177席のボーイング737-800を使用しています。

 ちなみに、神戸とともに関西3空港を構成する伊丹・関西には、2社とも定期便は飛ばしていません。

「神戸空港激変」のカギに2社が絡みまくりそうな理由

 神戸空港における2社の路線の「すみ分け」は既にあるため、接続時間の調整如何でFDAとスカイマークの乗り継ぎが広がる可能性はあるでしょう。機材の席数が重ならないため、今後の路線展開へ柔軟に対応できるとも考えられます。

 神戸空港をめぐっては、2022年には長年の関西空港との「すみ分け」解消が合意され、2030年をめどに国際線も就航できるようになる予定です。サブターミナルが供用される2025年は大阪・関西万博による旅客数の増加も期待されます。

 いわば、神戸空港は「変化」の時を迎えているのです。アクセスが良いながらも「関西3空港」では最も小さいという評価から、利便性をはじめ、その地位が大きく向上する可能性を秘めています。

 また、スカイマークもFDAも、フルサービスより抑えられた運賃設定を特徴としており、ここも旅行者にとっては強みといえるポイントです。

 スカイマークも新型コロナの感染拡大により2020年に成田〜サイパン線を運休して以来、国際線は就航していませんが、将来、これを再開する際は、神戸空港のサブターミナルを活用できるかもしれません。

 またFDAは、2024年3月に4号機が退役し15機体制になりますが、コロナ禍前は20機体制も視野に入れていました。スカイマークの路線拡大は、提携が深まればFDAの機材増加につながるとも考えられます。

 このようにFDA・スカイマークの動向を考える際、神戸空港は「鍵」になり、三位一体として見ていく必要もありそうです。3者の動きがうまくかみ合えば、「変化」は「激変」へ飛躍するでしょう。それだけに、FDAとスカイマークがどう動くは注視すべきポイントでしょう。

※誤字を修正しました(2月15日10時40分)