旅客機は一般的に、大量の燃料を消費することで知られています。果たして実際に「環境に悪い交通手段」なのでしょうか。実はそうでもないかもしれません。

機体の燃費もどんどん改善

 旅客機は一般的に、大量の燃料を消費することで知られています。業界としてもSAF(持続可能な航空燃料)の使用を全面に打ち出すなどの努力をしているものの、近距離のフライトを別の交通手段に置き換える国もあるほどです。果たして実際「環境に悪い交通手段」なのでしょうか。

 JAL(日本航空)の整備士によると、新鋭機のひとつであるボーイング787を運航する際の燃料消費量は、たとえばニューヨークから成田までおよそ1万1000kmを飛ぶ場合、2000年代までJALで飛んでいた「ジャンボジェット」ことボーイング747-400と比べて、半分以下といいます。

 燃料が向上したことで航続距離も伸び、同路線の場合、従来はいったんアラスカのアンカレッジを経由していたものが、直行便を飛ばせるようになるなど、エコだけではない進化も遂げているとのことです。

 ところで、ニューヨーク発成田行きのフライトをする場合、旅客機は世代ごとにどれくらいの燃料を消費するのでしょうか。

 JALによると、747-400は35万ポンド(約15万9000kg)だったのに対し、その後のJAL国際線主力機777は約25万ポンド(約11万3400kg)、そして787の場合は15万ポンド(約6万8000kg)とのこと。

 JALの情報をもとに航空燃料1kgあたりの飛行距離をモデルごとにそれぞれ試算すると、747-400は約69m、777は約97m、787は約161m飛べることになります。自動車風にいえば「リッター約161m」ですから、これらの短い距離を見ると莫大な燃料を使っているようにも見えます。

 こう見ると、自動車よりもはるかに燃費が悪い乗りものとされがちですが、1座席あたり、つまり1人あたりで見ると必ずしもそうともいえません。

実は考え方によっちゃ「燃費いいクルマ」にも及ぶ?

 もちろんいつも満席になることはないものの、飛行機は一度に多くの乗客を運べます。JALの場合、国際線仕様機でも配置が数パターンあり、それにより座席数も異なりますが、たとえば747-400であれば384席、777-300は244席、787-8は161席です。

 これらのモデルをもし座席数で掛け算し1人あたりで試算した場合、いずれも燃料1kgで20km以上の距離を飛べることになります。そうなると、燃費性能の良さをうたう自動車なみの数値となるわけです。

 なお、飛行機の燃料には、ケロシンというものが使われます。これは灯油に近しい成分ながら、摂氏マイナス50度の気温まで下がる上空で氷結を防ぐべく、水分をできるだけ含まないよう調整されたものです。

【映像】超貴重! 「重整備を受けるJALの777の機内」