自衛隊の90式戦車とも弾薬の互換性が生まれます。

プロトタイプの製造数は8両

 イギリス国防省は2024年4月18日、最新戦車「チャレンジャー3」のプロトタイプ8両のうち最後の1両が、メーカーであるRBSL(ラインメタル・BAEシステムズ・ランド)の生産ラインからロールアウトしたと発表しました。
 
 このタイミングに合わせ、グラント・シャップス国防大臣は生産現場を訪れ、関係者と面会したそうです。

「チャレンジャー3」は、既存の「チャレンジャー2」をベースに大幅なアップグレード化を施すことで調達される主力戦車で、すでに2021年5月にはRBSLとイギリス陸軍とのあいだで148両の「チャレンジャー2」を「チャレンジャー3」へ改修する契約が締結されています。

 最大の特徴は、約60年にわたってイギリス陸軍が使い続けてきた国産の55口径120mmライフル砲を、ドイツのラインメタル社が開発製造する55口径120mm滑腔砲へと換装する点です。

 これにより、NATO(北大西洋条約機構)内で採用国の多いドイツ製「レオパルト2」戦車やアメリカのM1A2「エイブラムス」戦車などと砲弾の共用化が図れるようになるほか、貫徹力の高い新型砲弾の運用も可能になります。

 また、防御力についてもイギリスが独自開発した新型のモジュラー装甲を採用することで強化されるほか、射撃装置や通信システムなどは、完全デジタル化が図られるとのこと。さらに「トロフィー」アクティブ防護システムを搭載することで、対戦車ロケットやミサイルなどに対する防護性も向上し、これによりイギリス陸軍の戦闘能力は劇的に変化するとしています。

 イギリス陸軍へ最初に引き渡されたプロトタイプは、すでに各種試験に供されているとのこと。残りの7両と合わせ、これらプロトタイプ8両で様々な試験を行い、性能検証とブラッシュアップが行われたのち、問題がなければ140両の「チャレンジャー2」が「同3」へと改修される予定です。

 なお、イギリス国防省が立てたスケジュールでは、2027年までに初度作戦能力を取得し、2030年までに完全作戦能力を獲得する計画です。また、イギリス陸軍はこのアップグレード化によって2040年まで「チャレンジャー」シリーズを運用する予定であることを明らかにしています。