寝台特急「北斗星」が2015年3月で廃止されるとの見通しが伝えられています。そこには合わせて「希望」も伝えられているのですが、期待することは難しそうです。また「北斗星」廃止と共に、消えていくものがあります。

30年から40年前に製造された車両

 上野〜札幌間を結ぶ寝台特急「北斗星」が2015年3月で廃止される方向だと、共同通信が伝えました。

 寝台特急「北斗星」は1988(昭和63)年3月13日、本州と北海道を結ぶ青函トンネルの開業に合わせて登場。個室寝台やフランス料理を提供する食堂車などを備えた「豪華寝台特急」として注目を集めました。

 1988年の登場当初、1日あたり定期2往復、臨時1往復の「北斗星」が運転されていましたが、翌1989年には臨時の1往復が定期列車になり、毎日3往復の「北斗星」が上野〜札幌間を結びました。

 しかし1999(平成11)年、上野〜札幌間に新たな豪華寝台特急「カシオペア」が登場したことにより、「北斗星」は1日2往復に減少。さらに2008(平成20)年には、津軽海峡区間で北海道新幹線の工事時間を確保するため、1日1往復とさらに減少。そして2015年3月、、誕生から27年で廃止ということになります。

 廃止の理由としては、車両の老朽化や北海道新幹線の工事、走行試験時間の確保が伝えられています。

 「北斗星」に使用されている車両は、客車が24系25形というものです。実際にいつ製造された車両が「北斗星」に使用されているのかは日によって異なるため一概にはいえませんが、この24系25形という車両形式自体は、1973(昭和48)年から1980(昭和55)年まで製造されました。

 また「北斗星」の客車をけん引する機関車は、上野〜青森間がEF510形電気機関車500番台、青森〜函館間がED79形電気機関車、函館〜札幌間がDD51形ディーゼル機関車です。

 このうちEF510形500番台は2009(平成21)年から制作された新しい車両ですが、ED79形は1971(昭和46)年から製造されたED75形電気機関車の改造車で、「北斗星」に使用されているタイプのDD51形は1966(昭和41)年から製造されたものです。

残るかすかな「希望」は期待薄か

 しかし報道では、かすかな「希望」も合わせて伝えられています。2015年3月に廃止されたのちも、観光シーズンに臨時列車として走る可能性があると伝えられているのです。

 ただこの「希望」について、あまり期待はしないほうが良さそうです。

 その大きな理由として、青函トンネル区間で使用される機関車の問題があります。青函トンネルは現在、北海道新幹線仕様に改造している最中です。そして青函トンネルが北海道新幹線仕様になると、同区間で現在「北斗星」の先頭に立っているED79形電気機関車が使えなくなります。つまり近い将来、青函トンネルで「北斗星」をけん引する機関車が無くなってしまうのです。

 貨物列車については、北海道新幹線仕様になった青函トンネルでも走れるEH800形という電気機関車が開発されましたが、旅客列車の新機関車については、特にJRからの発表はありません。

 現状のままでは、2016年春が予定されている北海道新幹線の新青森〜新函館北斗間の開業に伴い、「定期」「臨時」以前に「北斗星」は物理的に運転できなくなります。そのため2015年3月に定期運転が終了したのちの「北斗星」臨時運転は、行われたとしても短期間で終了する可能性が高く、過度の期待はできないというわけです。

「北斗星」廃止で消えていくもの

 2015年3月には、大阪〜札幌間を結ぶ寝台特急「トワイライトエクスプレス」の廃止が決まっています。「トワイライト」と「北斗星」が廃止されると、北海道へ向かう寝台特急は「カシオペア」だけになりますが、この「カシオペア」についても青函トンネルの機関車がないという懸念があるのは同じであるため、今後の動向が注目されます。

 また「北斗星」の廃止(臨時化)により、定期運転される青い客車の寝台特急、いわゆる「ブルートレイン」はすべて姿を消します。1970年代、「ブルートレインブーム」が起こり東京駅などにカメラを持った子供たちが大勢集まりましたが、それも完全に過去のものとなります。

 「北斗星」廃止(臨時化)後に定期運転される寝台特急は、東京〜出雲市間の「サンライズ出雲」、東京〜高松間の「サンライズ瀬戸」のみになります(「カシオペア」は臨時列車)。

 ちなみに「北斗星」廃止(臨時化)で、定期運転される上野駅発の夜行列車も消滅します。