他県からの訪問者はもちろん、大阪に住む人でも迷うことがあるという大阪・梅田での鉄道の乗り換え。「梅田ダンジョン」との異名を持つこの複雑なエリアで、乗り換えに迷わないコツはあるのでしょうか。

位置関係を頭に入れよう

「キタ」の愛称で知られる、大阪・梅田地区。ここにはJRの大阪駅をはじめ阪急電鉄の梅田駅、阪神電鉄の梅田駅、大阪市営地下鉄御堂筋線の梅田駅、谷町線の東梅田駅、そして四つ橋線の西梅田駅と、6つの駅があります。関西一の鉄道ターミナルとしても有名で、1日の乗車人数はJR大阪駅の42.4万人を筆頭に、阪急梅田駅の27.5万人、御堂筋線梅田駅の21.2万人など、あわせて約113.5万人に達します(2014〜2016年度平均)。

 そんな梅田地区の各駅は、地下通路や歩道橋などで互いに結ばれています。しかし、各駅が微妙に離れていることもあり、乗り換えは少し複雑。とくに地下通路や地下街は、地上の道路にあわせて曲がりくねっているため、かなり分かりにくくなっています。その複雑さは、県外からやって来た人だけでなく、大阪に住んでいる人でもうっかりすると間違ってしまうといわれ、一部の人たちからは「梅田ダンジョン」と恐れられているとかいないとか……。

 そこで今回は、この「梅田ダンジョン」で迷わず、スムーズに乗り換えられるコツをお教えしましょう。

大阪駅・梅田駅はいすの形に見えてくる?

 まずは、この6駅の大まかな位置関係を見てみましょう。地図上に表現すると、図のような形になります。こうしてみると、各駅がそれぞれ微妙に離れていることが分かります。これを頭で理解するのは少し大変です。

 そこで、「いすを左横から見た図」をイメージしてください。頭もたれが阪急、背もたれが御堂筋線、肘掛けがJR、座面が阪神。座面からは肘掛けを支える棒(連絡通路)が2本伸びています。そして、それらを支える前脚が四つ橋線で、後脚が谷町線となります。

 ちなみに、「頭もたれ」阪急梅田駅と「肘掛け」JR大阪駅は地上に、ほかの4駅は地下にあります。なんとなく、頭の中に描けたでしょうか。

梅田駅の乗り換え、攻略ポイントは「出口」

 それでは、いよいよ実際の乗り換えをシミュレーションしてみましょう。ここで大切なのは、スタートとなる駅を出るときに、必ずゴールとなる駅に一番近い出口から出ることです。

 たとえば、阪神電車から各線に乗り換える場合、四つ橋線へ向かうなら西口を、御堂筋線や谷町線へ向かうなら東口から出場すると、それぞれの改札口がすぐ近くに現れます。同様に、御堂筋線を降りた人は、阪急電車へ向かう場合は北改札を、谷町線や阪神電車へ向かう場合は南改札を出ると、スムーズに乗り換えができます。

 なお、JRから四つ橋線へ行く場合は、肘掛けを支える棒(連絡通路)を使います。阪神電車へ乗り換える時も、この連絡通路を使ったほうが人ごみを回避でき、分かりやすいためオススメです。

阪急が関係するときは地上へ出よう

 難易度のやや高いのが、阪急への(または阪急からの)乗り換え。地上にある阪急梅田駅は、他駅から離れていることもあって移動距離が長くなります。さらに、「背もたれ」の御堂筋線梅田駅は改札外の通路がないため、谷町線や阪神電車から地下通路を通って阪急方面へは直接行くことができず、ダンジョン内を大きく迂回しなくてはなりません。

 そこで、阪急へ乗り換える場合は、思い切って「梅田ダンジョン」から脱出し、地上へと出てしまいましょう。谷町線や阪神電車の場合は、御堂筋線とつながる部分に阪急百貨店の地下入口があり、その脇にあるエスカレーターで1階の広いコンコースに出られます。実はここは、かつて阪急梅田駅だった場所です。1929(昭和4)年に阪急百貨店が開業し、その後ここから列車が発着していましたが、駅が手狭になったため、1967(昭和42)年から1971(昭和46)年にかけて現在の場所へ移設されました。こんな経緯も、乗り換えが複雑になった理由のひとつといえます。

 このコンコースをさらに進むと、「動く歩道」などがある天井の低い通路(上はJRの線路が走る)があり、さらにそれを抜けると何基ものエスカレーターが見えます。これを上がれば阪急梅田駅の3階改札口に到着です。

 逆に、阪急から各線へ乗り換えるときも、なるべく地下へは入らないようにします。すなわち、先ほどとは逆ルートを使い、3階改札口を出てエスカレーターで地上に降り、百貨店のコンコースを進みます。ひたすら地上を歩いたら、一番奥にあるエスカレーターで地下へ。正面へ進むと谷町線、右へ曲がると阪神電車です。

 近い場所にあるJR大阪駅と御堂筋線は、2階改札口から案内に従って、JRへは連絡デッキを、御堂筋線へはひたすらエスカレーターを降ります。

迷ったら、市バス乗り場へ!

 さて、ここまで各線への乗り換え経路を見てきましたが、文字にすると簡単でも実際に歩いてみるとスムーズには行かないことも。そこで、迷ったときの対処法をお教えしましょう。

 それは「市バス乗り場へ向かう」というもの。前述のいすをイメージしたとき、座っている人のお尻部分にあたるのが大阪市営バスの大阪駅前ターミナルです。市バス乗り場はこの1か所しかないため、「市バスターミナル」と書かれた案内標識を目印に歩けば、必ずここにたどり着きます。そこで、どこにいるか分からなくなった場合は、とりあえず市バス乗り場へ向かいましょう。

 市バス乗り場に到着したら、周囲を見回してください。JR大阪駅は、JRの高架橋があるためすぐに分かります。付近の階段から地下へ下りれば、そこには御堂筋線の梅田駅が。阪神百貨店の下には阪神梅田駅、そして阪急百貨店の1階には先ほどのコンコースがあるので、そこを目指せば“リセット”できます。

新しい連絡デッキで「ダンジョン」が回避可能に

 ここまで、各鉄道の乗り換えに焦点を絞ってお話ししてきましたが、この「梅田ダンジョン」は商業施設などへ行く際にも、幾度となく“壁”として立ちはだかってきました。そのひとつが、JR大阪駅の北側、「ヨドバシカメラ マルチメディア梅田」方面への経路。特に、ここへ通じる階段が2017年3月に撤去されてしまったため、以降はいったん地下へもぐるルートが主流となり、「目の前に見えているのに行けない」という事態になっていました。

 そこで、これを解消するためにJR大阪駅の御堂筋口とヨドバシカメラを結ぶデッキが完成。2017年6月30日(金)に開通し、JRや阪急から地上を通ってヨドバシカメラへたどり着けるようになりました。「地下を通るより分かりやすい」と、利用者からもさっそく好評を得ています。

 少しずつ分かりやすくなっているとはいえ、まだまだ複雑な「梅田ダンジョン」。ぜひ、あなた流の“攻略法”を見つけてみてください。

【写真】かつて阪急電車が発着していた場所にある阪急百貨店