ファーストクラスの利用者などしか使えない、羽田空港「JALファーストクラスラウンジ」。「日本」の「空港ラウンジ」で「ファーストクラス」らしい、さまざまな仕掛けが用意されていました。JALの名物メニューも味わえます。

ファーストクラス利用者などが使えるラウンジ

 搭乗客向けに設けられている空港ラウンジ。有効なクレジットカードを持つ人が利用できる「カードラウンジ」などいくつかの種類がありますが、それらのなかでも日本国内最上級であろう空港ラウンジが羽田空港にあります。国際線ターミナルの「JALファーストクラスラウンジ」です。

 使えるのは、JAL(日本航空)グループまたはワンワールド アライアンス加盟航空会社便のファーストクラスに搭乗する人、もしくは会員ステータスが「JMBダイヤモンド」「JGCプレミア」の人(同行者1名まで可)、ワンワールド アライアンスの会員ステータスが「エメラルド」の人など。ちなみに「JMBダイヤモンド」の基準は、前年度の利用実績が「10万FLY ONポイント(うちJALグループ便5万FLY ONポイント)以上、または120回(うちJALグループ便60回)以上かつ3万5000FLY ONポイント以上のご搭乗」です。「FLY ONポイント」は、「フライトマイル」をもとに換算・積算されます。

 ビジネスクラス利用者などが使える「サクララウンジ」と共用の入口を入り、「JALファーストクラスラウンジ」がある右側へ進みます。

 そこで広がったのは、先ほどまで歩いてきた空港の喧噪がうそのような場所。“屏風”が並んだような「和」の雰囲気の空間、そこで“屏風”をよく見ると、「桜」が描かれていました。また奥には“青空と飛行機雲”が見えます。挾土秀平氏による左官壁のアートです。

 この「JALファーストクラスラウンジ」はJAL 商品・サービス企画本部の大野重穂さんによると、JALグループの新商品・サービスの総合アドバイザーである小山薫堂氏の協力のもと、日本を代表するインテリアデザイナー小坂竜氏の提案による「モダンジャパニーズ」というコンセプトを基本に、それぞれの空間に変化をもたせた「room to room」という考え方をもとに、バラエティに富んだ空間展開を実現しているそうです。

ラウンジの楽しみ「食」 羽田に用意された「秘密兵器」とは?

 ラウンジの楽しみ、そのひとつは「食」でしょう。羽田空港「JALファーストクラスラウンジ」のこの点における大きな特徴は「鉄板」です。

 7時から11時30分までは「JALオリジナル ライ麦ガレット」を、17時30分から23時30分までは「上ミスジ カットステーキ」を、シェフが目の前で焼き上げてくれます。

 この「JALファーストクラスラウンジ」にふさわしいサービスを提供するにあたり、出発前に「できたてのお食事をご提供したい」という思いのもと、「鉄板ダイニング」という「お客さまの目の前でお作りする、開放的でライブ感あふれるサービス」にチャレンジしたとのこと。ちなみに成田空港の「JALファーストクラスラウンジ」では、職人が目の前ですしを握ってくれるそうです。

 この「JALオリジナル ライ麦ガレット」、もっちり生地とハム、2種類のチーズに、フランス産のあら塩がアクセントを出し、そこへ半熟卵のまろやかさが参戦。ひとつの料理ながら、さまざまな味わいを楽しむことができました。

 また、こうしたラウンジで一般的なビュフェスタイルの食事では、うどんや煮穴子の手まり寿司、山形風芋煮といった和食から、えび海鮮餃子、生ハムのピンチョス、オレンジチーズケーキなど、多くのメニューが用意されていました。JALの大野さんによると、外国の人にも喜んでもらえるメニューも多くそろえているほか、お酒を飲む人のためにピンチョスなどおつまみになるものも多く提供しているそうです。

 このビュフェスタイルのメニューは、利用者の声などを参考に、定期的に見直しているとのこと(その結果、継続になる場合もあり)。月に複数回、「JALファーストクラスラウンジ」を利用する人もおり、「お客さまに新鮮な驚きと感動をご提供できるように心がけている」といいます。

ほかのエアラインからも評判の「JALラウンジ名物メニュー」

「JALのラウンジ」には名物があります。「カレー」です。もちろんこの「JALファーストクラスラウンジ」にも用意されています。

 JALの大野さんによると、「JAL特製オリジナルビーフカレー」は人気が高いため以前から変わらず提供しているほか、ほかのエアラインより見学に来た人からも「おいしい」と評判とのこと。「日本のカレー」は海外でも人気が高いそうで、取材した日もこのカレーを食べる外国人が何人も見られました。

 この「JAL特製オリジナルビーフカレー」はスパイシーで、お酒に合う味でした。個人的には、特に生ビールが合いそうな印象。スパイシーになった舌を生ビールでリセットし、再びスプーンを……と、夏に合いそうな感じです。「お酒に負けないカレー」という表現もできるかもしれません。

 ちなみにこのカレー、色々なお皿を試してみた結果、選ばれたのがこの黒いお皿だそうです。白いお皿に比べ、「洗練さ」「上品さ」のイメージを与えてくれることから決まった、とのこと。

特別な部屋「RED Suite」、いろいろな意味で「特別」なワケ

 羽田空港「JALファーストクラスラウンジ」、その「空間」における大きな特徴のひとつは「RED Suite」の存在です。特にここは、空港のラウンジらしからぬ空気が漂っています。

「大人の空間」が銘打たれた「RED Suite」は、「ライブラリールーム」「ギャラリールーム」「プレイルーム」「バールーム」の4ゾーンから構成。チェスやサッカーゲームも楽しむことができます。

 ここではそうした「大人」の雰囲気のほか、注目したいポイントがあります。JALの軌跡が分かる「貴重なコレクション」です。当時のパイロットが使っていたフライトバッグや、昔の航空券、エアバスA300に搭載されていた計器、そして超音速旅客機ボーイング2707の模型といった珍しい品々が各所に。また、壁には航路図が部屋のデザインに溶け込んでいます。

 この「RED Suite」、ゆったりくつろげる空間ですが、航空ファンは逆にくつろげないかもしれません。嬉しさで。

使い慣れた人が頼むサービスとは?

 この「RED Suite」では、世界最高峰のシューズブランドとされる「JOHN LOBB(ジョン ロブ)社」とのコラボレーションによるシューシャインサービスも行われています。

 提供時間は7時から11時30分、17時30分から23時30分まで(最終受付はそれぞれ終了の15分前まで)。この「JALファーストクラスラウンジ」を使い慣れた人は、2時間前にチェックインしここへ来て、シューシャインサービスを予約、鉄板の料理を頼んだのち、リラクゼーションサービスで癒され、時間までお酒を飲んでくつろぐ、といった過ごし方をするそうです。

 ちなみに、シューシャインサービスが行われる場所の壁には世界地図が描かれていますが、よく見ると赤いピンが刺さっています。JALの就航地を示しているとのこと。

「RED Suite」のバーでは、はせがわ酒店による日本酒の銘酒、メゾン「ローラン・ペリエ」のシャンパンなどが用意され、オーストリアの名門「リーデル」のグラスで楽しむことができます。

快適すぎて乗り遅れる心配は?

 羽田空港国際線の「JALファーストクラスラウンジ」は、大きくふたつの居室エリアとひとつのダイニングエリア、「RED Suite」という構成で、ラウンジにはオープン型の席のほか、プライベート感が得られる1人用の席なども設置。シャワーやコピー、ファックス、クローク、喫煙室、マッサージチェアも備えられています。

 これだけ至れり尽くせりなくつろぎの空間、うっかり乗り遅れてしまうのが心配ですが、JALの大野さんによると、搭乗にあたってアナウンスを行うほか、ラウンジの入室記録を確認するなどして、乗り遅れることのないよう注意しているとのこと。

 さてラウンジがこれだけ充実していると、機内サービスと重複するのでは、という疑問もあります。大野さんによると「お客さまはラウンジと機内での過ごし方が異なるので、機内チームや関連部署と相談しながら、それぞれのシーンに合わせたお食事の内容やサービス内容を企画、実施」しているそうです。

「世界には、たとえば席まで注文を取りに来てくれるラウンジもあります。我々も単にメニューを変えるだけではなく、世界のラウンジにおけるトレンドを意識しつつ、お客さまに最高のサービスを提供できるよう努力していきます」(JAL 商品・サービス企画本部 大野重穂さん)

 JALは羽田空港国際線ターミナルに、この「ファーストクラスラウンジ」と、「サクララウンジ(本館)」「サクララウンジ・スカイビュー」という3か所のラウンジを設置。1日あたり「ファースト」は約500名、「サクララウンジ(本館)」は約1100名、「スカイビュー」は約500名の利用があるそうです。