ローカル線に乗っていると、ホームから絶景が広がっていたり、味わい深い駅舎がたたずんでいたり。そんな、夏の旅で思わず降りたくなるような駅舎の風景を集めました。

「日本一海に近い駅」は「日本一夕日の美しい駅」

【本記事は、旅行読売出版社の協力を得て、『旅行読売』2017年7月号に掲載された特集「気になる駅で途中下車 大人でも青春18きっぷ」の一部記事を再構成したものです】

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 行き先を決めず、ふらっとローカル線に乗り、気になる駅で途中下車できるのも青春18きっぷの旅の魅力。この夏、思わず降りたくなってしまう駅舎を集めてみた。

●ラベンダー畑駅(富良野線・臨時駅) 北海道中富良野町
 十勝岳を望む富良野盆地の田んぼの中の、6月〜10月限定の臨時駅。辺り一帯のラベンダーが見頃を迎える7月頃には、丘の斜面は紫一色に染まり、甘い香りが吹き渡っていく。ラベンダー畑のあるファーム富田まで徒歩7分。

●幾寅駅=幌舞駅(根室本線) 北海道南富良野町
 1999年に映画化された「鉄道員(ぽっぽや)」のロケーションセットと映画内で使用された車両が駅前に保存されている。幾寅駅として現役で使われている緑屋根の木造駅舎は、映画では「幌舞駅」として登場。その駅名表示板は今も掲げられたままだ。

●北浜駅(釧網本線) 北海道網走市
 ホーム前にオホーツク海が広がり、すぐ脇の展望台からは、木造駅舎の背後に知床半島を望む。無人化された駅にはたくさんの名刺や切符が貼られ、事務室を改装した喫茶店「停車場」が旅人を迎えてくれる。

●高屋駅(陸羽西線) 山形県戸沢村
 眼下に最上川の雄大な流れを望み、早朝には幻想的な川霧に包まれることもある。駅前には「縁結びステーション」の看板が立ち、船下りで行く対岸の縁結びスポット・仙人堂神社では「縁結び切符」を販売している。

●青海川駅(信越本線) 新潟県柏崎市
「日本一海に近い駅」と称され、下り線ホームのすぐ脇に日本海の大海原が迫る。「日本一夕日の美しい駅」とも呼ばれ、夏の天気のいい日、日本海を真っ赤に染めながら沈みゆく夕日は一見の価値あり。

●頚城大野駅(大糸線) 新潟県糸魚川市
 ホーム前に青田が広がり、駅奥に北アルプスの山並みを望む。淡いピンク色に塗られた古い木造駅舎が周囲の緑に映える。水質ランキングで日本一に輝いたことのある清流・姫川が、駅からほど近くを流れる。

●野尻駅(中央本線) 長野県大桑村
 木曽駒ヶ岳をはじめとする3000m級の中央アルプスの山並みが見える。白壁の古い木造駅舎を出てすぐに、七曲がり(曲がりくねった街道筋)が特徴の野尻宿があり、昔ながらの街並みが続く。

「青春18きっぷ」のポスターに登場 駅から見えるのは海と空と水平線だけ

●大畠駅(山陽本線) 山口県柳井市
 下りホームに降り立つと瀬戸内海に浮かぶ島々が間近に迫り、目の前をたくさんの船が行き交う。駅とその対岸にある屋代島(周防大島)との間の大畠瀬戸の渦潮は「日本三大潮流」の一つとされる。

●越中国分駅(氷見線) 富山県高岡市
 水色をした木造の小さな待合室があるホームの先に、日本海の青い海原が見える。この線路の先は、立山連峰を望む雄大な雨晴(あまはらし)海岸へと続く海岸線が迫り、ホームの端からは男岩を見ることができる。

●下灘駅(予讃線) 愛媛県伊予市
「青春18きっぷ」のポスターにも登場している、伊予灘の美しい大海原を望む屋根付きベンチがホーム上にたたずむ。高台に位置する駅から見えるのは、海と空と水平線だけ。夕日の絶景スポットとしても名高い。

●大隅横川駅(肥薩線) 鹿児島県霧島市
 同じ肥薩線の嘉例川(かれいがわ)駅と並んで現役最古級の木造駅舎が出迎える。下見板張りに白壁の外観、木製ベンチや木枠の窓ガラスなど、1903年の開業当時の雰囲気そのままで、時空を旅して来たような気分が味わえる。

●福島高松駅(日南線) 宮崎県串間市
 日南線の終点・志布志駅の二つ手前、緑の草木に囲まれたホームと木造駅舎が青空に映える。降り立って見えるカナリーヤシ(フェニックス)が南国ムードを盛り立てる。「秘境駅」に数えられることもある。

・旅行読売(Fujisan.co.jp)
http://www.fujisan.co.jp/product/2782/ap-norimono

【写真】草木に囲まれた木造駅舎の福島高松駅