JR東海が豊橋駅構内に、バスと同じタイプの運賃箱を設置しました。列車の運賃精算をスムーズにするためだといいますが、なぜ「バスの運賃箱」なのでしょうか。

飯田線の終着、豊橋駅 そこで見られる光景とは?

 JR東海が豊橋駅(愛知県豊橋市)の構内に、路線バスと同タイプの運賃箱を2台設置し、2017年10月5日(木)から運用を開始しました。

 設置場所は、在来線改札口のとなり。もちろんバスのためではなく、列車の運賃精算に用いるためだといいます。運賃箱を納入した鉄道・バス用電装機器メーカーのレシップ(岐阜県本巣市)に話を聞きました。

——運賃箱はどのような目的で設置されたのでしょうか?

 豊橋駅を終着とする飯田線の無人駅から乗ったお客様に、運賃を精算いただくためです。当社が全国の路線バスへ納入している整理券読み取り機能付き運賃箱を、鉄道向けにアレンジして製作したものです。

——列車の運賃精算用になぜ「バスの運賃箱」なのでしょうか?

 ワンマン運転が行われている飯田線では、無人駅から利用する場合、列車のドア付近に設置された整理券発券機から整理券を取って乗車します。降車駅が無人の場合は列車内で運賃を支払いますが、有人駅の場合は駅係員のいる窓口で整理券を提示し、係員が運賃を計算して精算するのが一般的です。このため、豊橋駅では精算の順番待ちで混雑が発生していました。整理券読み取り機能の付いた運賃箱を設置することで、お客様自身で運賃精算を行っていただけるようにしたのです。

精算の方法は? 実は整理券にも変化が

——どのように精算するのでしょうか?

 バーコードの付いた整理券を運賃箱に投入すると、機械がそれを読み取り、ディスプレイに運賃が表示されます。おつりが必要な場合は、運賃箱付属の両替機で両替えし、表示額を投入していただきます。

 従来、飯田線の列車で発券される整理券にはバーコードが付いていませんでしたが、今回の運賃箱導入にともない整理券発券機の仕様を変更し、バーコードが印字されるようにしています。

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 飯田線と同じような整理券方式のワンマン列車は全国で運転されていますが、レシップによると、整理券読み取り機能付きの運賃箱が鉄道の駅に設置されるのは、豊橋駅が初めてだといいます。

 JR東海によると、飯田線の列車が到着する豊橋駅では「朝ラッシュ時は定期券をご利用の方が多いのでそれほど混乱しませんが、特に土休日の夕方や、沿線でイベントが開催されたときなどに、運賃の精算を待つお客様で混み合うことがあります」とのこと。運賃箱の導入については「列車内の掲示でもご案内していますが、慣れない方もいらっしゃるでしょう。ご利用状況を見ながら、ほかの駅へも拡大していくか検討します」としています。

【地図】山岳地帯を走るJR飯田線