自衛隊は、国防や災害派遣、国際貢献などの任務にあたるために、必要に応じて装備を更新しています。そのため新装備が加われば、旧式装備は姿を消します。それらのなかで、2019年に話題となった装備を集めてみました。

最新鋭戦闘機と新型政府専用機、運用スタート

 2019年は令和最初の年でもありました。節目の年に自衛隊の装備でトピックになったものを5つ紹介します。最新鋭の機体もあれば、半世紀以上前に採用され、退役してから20年近く経つものも注目を集めました。

F-35A戦闘機、本格運用開始(3月)

 今年は、航空自衛隊において最新鋭のステルス戦闘機であるF-35Aの本格運用が始まった記念の年です。これまでは臨時飛行隊という形でしたが、3月16日から第302飛行隊でF-35Aの正式運用が始まりました。

 第302飛行隊は、これまで茨城県の百里基地でF-4EJ改「ファントムII」戦闘機を運用してきましたが、3月に青森県の三沢基地に移駐し、機種をF-35Aに更新して航空自衛隊初のF-35A飛行隊となりました。

新旧の政府専用機がバトンタッチ(3月)

 同じく3月には、1992(平成4)年以来、日本の外交を支えてきた政府専用機の新旧交代もありました。これまで27年間運用されてきたボーイング747と、後継として新たに導入されたボーイング777の機種交代式典が、北海道千歳市にある航空自衛隊千歳基地で3月24日に実施され、1週間後の3月31日を持って正式にボーイング747は退役しました。

 ボーイング747は総理府(現在の内閣府)の予算によって2機購入されたのち、防衛庁(現在の防衛省)に移管、長らく運用されてきました。後継となったボーイング777についても内閣府の予算で同じく2機購入され、防衛省に移管されています。

 なお、ボーイング777は自衛隊所有であるものの、機体の整備支援や、民間旅客機の客室乗務員に相当する「空中輸送員」の教育などは、ANA(全日本空輸)に委託しています。

戦後初の国産戦車は海を渡り、最新の国産自走砲が初披露

 新装備の運用開始とは別に、退役装備の海外初展示もありました。

日本の61式戦車、ヨルダンへ無償貸与(8月)

 今年、戦後初めて行われたこととしては、国産戦車の外国への引き渡しもありました。実施されたのは中東のヨルダンですが、同国は首都アンマンにある王立戦車博物館で展示するために、日本製戦車の供与を要望していました。

 それに対し日本政府は、戦後初の国産戦車である61式戦車を無償貸与することを決め、8月に横浜港から送り出し、9月中旬にヨルダンに到着、11月13日から前述の博物館で展示を開始しています。

19式装輪自走155mmりゅう弾砲、初の一般公開(8月)

 今年の富士総合火力演習で、初めて公開されたのが、陸上自衛隊の新たな自走砲、19式装輪自走155mmりゅう弾砲です。我が国の自走砲として初の装輪式、いわゆるタイヤ駆動のトラック型自走砲で、高速道路などを用いて迅速に移動することが可能です。また重量も25t以下に抑えているため、航空自衛隊のC-2輸送機で空輸することも可能です。

 富士総合火力演習では、既存の99式自走155mmりゅう弾砲などに続いて会場に登場したのち、射撃はせずに射撃姿勢などを披露しました。また演習終了後の装備品展示では砲身を上に向けた射撃姿勢で展示され、来場者の注目を集めていました。

 19式装輪自走155mmりゅう弾砲は、2019年度予算ですでに7両ぶんが計上されており、2021年に部隊配備が始まる予定です。

45年にわたり第一線で活動してきた古兵の退役

 新型機が登場する一方で、姿を消す古参もあります。

RF-4E/EJ偵察機、最後の一般公開(12月)

 2020年3月末で航空自衛隊のRF-4E/EJ偵察機が運用を終了するため、所在基地最後の一般公開となった12月1日の「令和元年度百里基地航空祭」には多数の来場者が訪れました。

 1974(昭和49)年からRF-4Eの導入が始まり、その後、部隊の増勢に対応するため航空自衛隊は戦闘機型のF-4EJ「ファントムII」を改修してRF-4EJを製作、両機種を混用する形で現在まで運用してきました。

 陸地と洋上の両方を低空飛行するため、航空自衛隊機としては珍しく緑色主体のものと、青色主体のもの、2種類の迷彩塗装機がありました。しかし、同機が空を飛ぶのは2019年度いっぱい(2020年3月末まで)で終わります。

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 乗りものではありませんが、2019年12月には、陸上自衛隊の次期新型小銃として国産のHOWA5.56が、新型拳銃としてドイツ製のSFP9が、それぞれ選定されました。各々現行の89式小銃と9mmけん銃の後継で、およそ30年ぶりの更新ということもあり、新たな自衛隊装備として話題になりました。