飛行機に乗ると、地上で一瞬機内の照明が落ち、すぐに復活することがあります。これに関わっているのがAPUという小さいエンジンですが、外観を見る限りそのようなものはついていないように見えます。どこにあるのでしょうか。

多岐にわたる小さなエンジンAPUの役割

 飛行機に乗ると、離陸前や着陸後など地上にいるとき、一瞬機内の照明が落ち、そののちすぐに回復するといった様が見られます。

 これは機内の電源供給源が切り替えられるために見られるものです。稼動している飛行機の電力は、おもに主エンジンで発電されています。しかし駐機中など主エンジンを回さない場面などでは「APU(補助動力装置)」という小さなエンジンが発電し、照明など機内設備の電力を賄います。

 現代のジェット旅客機にAPUは、ほぼ標準装備されています。場所は機体最後部。ジェット旅客機の多くは、機体の「お尻」部分に小さな穴が開いていますが、これがAPUの排気口です。

 APUの役割は、地上で電力を供給することだけではありません。もっとも大きな役割は、主エンジンに圧縮空気を送り込むことでエンジンを始動するスターターとしてのものです。また飛行中にエンジンが止まるなどの緊急事態におちいってしまった際、機内の電力を確保する役割もあります。

 このようにジェット旅客機の場合、APUが地上での電力供給の役割を担っていますが、一方で日本の航空会社で現在運航されているターボプロップ機の多くは、機体尾部に穴が開いていません。これらの飛行機に、APU相当の装備はないのでしょうか。

ターボプロップ機の場合は 駐機中のAPU使用を減らす取り組みも

 ターボプロップ機の場合、プロペラを止めた状態で複数あるエンジンのうちのひとつを稼動させることで、照明などを使えるようにするという、ジェット旅客機におけるAPUと同じような機能を、主エンジンが果たす機種があるそうです。

 たとえばJALグループの地域航空会社JAC(日本エアコミューター)によると、同社の新しいターボプロップ機であるATR-42型機は「ホテルモード」という機能を有しています。また、同じJALグループのHAC(北海道エアシステム)が運航しているサーブ340B-WT型機は、APUの装備もありますが、そのほかに「プロペラブレーキ」という機能があるそうです。

 これらは製造メーカーが違うため、機能の名称は異なるものの、役割やメカニズムはほぼ同じものとのことです。

 ちなみに、APUは主エンジンと同じ燃料を使って稼働しています。このため一部空港では、環境への配慮から、エンジンスタート以外はできるだけAPUを使わない取り組みがされているそうです。大空港などの一部駐機場には、地上に設置された電源設備から駐機中の電力供給を行うほか、ダクトから空調が提供される場所もあります。

 なお地上設備がある空港では、機内の照明が地上で複数回落ちることもあります。これは機内の電源供給源が、一旦地上の供給設備からAPUへ切り替わり、その後APUから主エンジンへ切り替わるためです。