東武鉄道に新型車両「70090型」が登場しました。伊勢崎線と東京メトロ日比谷線を直通する着席列車「THライナー」用の車両で、ベースの70000型電車を踏襲しつつ、新たな設備や装置が導入されています。

「THライナー」用の新車 東武70090型電車 普通の日比谷線直通列車として先に

 東武鉄道の新たな座席指定制列車「THライナー」が2020年6月6日(土)、運転を開始しました。伊勢崎線(東武スカイツリーライン)の久喜駅(埼玉県久喜市)と、東京メトロ日比谷線の霞ケ関、恵比寿駅を結びます。

 東武70090型電車は、この「THライナー」での運用を主目的に作られた新型車両。2017年7月に運行を開始した東武の日比谷線直通用電車70000系(70000型)の一種ですが、有料の座席指定制列車に使える装備にされました。

 なお東武70090型電車は、先述した2020年6月6日(土)の東武鉄道ダイヤ改正で新列車「THライナー」が誕生し、その列車として走る前の2020年3月、通常の日比谷線直通列車として、ひと足先に営業運転を開始していました。

 ちなみに、この70090型電車、新型コロナウイルスの影響で、2020年2月末に行われる予定だった報道向けの公開が中止になっています。

「THライナー」用 東武70090型電車のコンセプトとは?

 東武70090型電車のコンセプトは「移動に憩いのひとときを」です。「座る」ことへのさらなる付加価値を追求。通勤・通学時に着席し、プライベートな空間を確保することで、より快適な移動を実現するといいます。

「THライナー」のマークは、70090型の「赤」と「黒」および日比谷線の「シルバー」を組み合わせ、頭の「T」から終わりの「R」まで「1本の白いライン」を通すことで、東武線と日比谷線を結び、東武沿線から都心にダイレクトにつながる快適性、疾走感を表現したそうです。

側面に描かれた「70090 SERIES」

 東武70090型は、標準的な東武の日比谷線直通用車両である70000型をベースに新造された、座席がロングシートにもクロスシートにもなる車両で、外観に70000型で使われている「イノベーションレッド」「ピュアブラック」の2色を踏襲。伊勢崎線(東武スカイツリーライン)から東京メトロ日比谷線に直通する車両としての統一感を持たせたとのこと。

 70090型の車体側面にあるロゴは、その車両の外観をモチーフに、「ロング/クロスシート転換車両」の型式を示す「9」を、「イノベーションレッド」で配色。疾走感と親しみを感じさせる新たなライナー仕様の車両であることを表現したといいます(東武東上線を走る同様の座席指定制列車「TJライナー」用電車は50090型)。

「THライナー」用電車 70090型の車内は? 赤いアクセントも

 東武70090型電車の車内は、光沢がある白色の内装パネルと袖仕切、荷物棚、そして貫通扉へのガラス素材採用で、明るく開放的な空間にしたそうです。また荷物棚には、赤いアクセントがあります。

 そして、そうした開放感に満ちた空間にロング/クロス転換座席を配置することで、ライナーとしての上質さを演出し、ゆったりとくつろげる移動空間を提供するといいます。座席の転換は運転台からの操作により、自動で行われるとのこと。

「THライナー」用70090型電車 座席には「ブレスエアー」採用

 東武70090型電車、その座席の表皮は70000型を踏襲し、彩度と明度を抑えた気品ある赤色を採用したほか、座面にはホールド性や通気性が良く、寝具などにも使われる「ブレスエアー」を用い、長時間でも快適に座れるといいます。

 また座席形状に、枕部の両脇に角度をつけた立体構造と、ハイバックシートを採用。プライベート性の確保に配慮したほか、ロングシートである車端部の優先席にもハイバックシート、肘掛けを設置。プライベート性を確保したそうです。

壁にもあるコンセント 「THライナー」用70090型電車

 東武70090型電車は、「THライナー」として走る際の乗車時間を快適に過ごしてもらう目的で、各座席下にAC100Vのコンセントが、座席背面にドリンクホルダーと荷物フックが設置されています。車端部の優先席では、コンセントは壁面に用意されました。

 7両編成の各車両には、フリースペースが設置されています。「THライナー」の座席指定券を購入するとき、その近くの席を予約すると、ベビーカーや車いすでも快適に乗れるとのこと。またフリースペースには、つかまることも、軽くもたれることも可能なヒッププレストもあります。

「THライナー」用で座席が変化する東武70090型電車らしい装置も

 東武70090型電車の車内には、各乗降ドア上の案内用3面モニター、防犯カメラ、フリーWi-Fi(従来からのWiMAXに加え「TOBU FREE Wi-Fi」を提供)などを設置。隣接車両との仕切り扉(妻引戸)は、使いやすいようアシストハンドルがつけられているほか、ガラスの存在を認識できるよう、70090型ならではというグラフィックが採用されました。

 また、機器では電動空気圧縮機(オイルレスタイプ)、ボルスタ付き片軸操舵台車、補助電源装置(185kVAの静止形インバータ〈SIV〉を1編成あたり2台搭載)、VVVFインバータ制御装置(IGBT2レベル方式、7M〈実力値3.5M、3.5T〉)、永久磁石同期電動機(PMSM)などのほか、70090型らしいものとして、座席の転換に関わる座席制御盤、L/C電源装置も搭載されています。