13年前の7月8日、完成披露されたボーイング787型機。いまや世界で一般的に見られるモデルですが、素材や化粧室に至るまで当時最新の設備が取り入れられているほか、中部空港に初号機があるなど、日本との関わりも深い飛行機です。

「人にも地球にも優しい」モデル

 ちょうど13年前の2007(平成19)年7月8日、いまや世界の航空会社で主力機のひとつとして用いられているボーイング787型機の初号機が、生産工場から出て完成披露される「ロールアウト」を迎えました。

 ボーイング787の購入を最初に決めた航空会社「ローンチカスタマー」はANA(全日空)。同社は2004(平成16)年4月に50機の購入を発表し、ボーイングはその後ろ盾をもって同シリーズの開発を進めてました。2007年7月当時のANA山元峯生社長によると、ボーイング787は「人にも地球にも優しい飛行機」とのこと。

 低騒音で燃費の良いエンジンを積んでいるほか、機体の材料に当時一般的だったアルミ合金ではなく、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を用いることで、従来機より客室の湿度を高め、窓も大きくなるなど快適性の向上が見られます。また、民間機としても初めて、トイレに温水洗浄便座が搭載されたモデルでもあります。

ロールアウト後 そして2020年も活躍の場を広げる787

 ボーイング787はロールアウトしたのち、地上での試験などを経て2009(平成21)年12月に初飛行。ローンチカスタマーであるANAに初納入されたのは2011(平成23)年9月です。

 787はシリーズ化されており、先述のロールアウトを迎えた標準型の787-8型機のほか、より胴体の長い787-9型機、そしてそれよりもさらに胴体を伸ばした787-10型機の3タイプがラインナップされています。

 ちなみに787の初号機「ZA001」は、2015(平成27)年に中部空港に寄贈され、2018(平成30)年にオープンした同空港の複合商業施設「FLIGHT OF DREAMS」のトレードマークに。787シリーズの部品の多くが日本の中部地域で造られていることから、その貢献に敬意を示したものとしています。

 なお、787はANAだけでなくJAL(日本航空)も導入しています。国際線仕様機に続き、2019年には国内線仕様機もデビューしています。2020年には同モデルで、JAL系LCC(格安航空会社)の「ZIPAIR Tokyo」が新型コロナの影響で貨物便として運航を始めている(旅客便運航開始は未定)ほか、JALとANAが共同で運航した東京オリンピックの「聖火輸送機」も担当しました。