伊豆急行の伊豆高原駅付近に、1両だけ伊豆急100系電車が佇んでいます。伊豆急行線の開業当時を知る、唯一の現存する伊豆急オリジナル車両です。この電車は2回引退したという、少々変わった経歴の持ち主。今後どうなるのでしょうか。

余生を送っていた電車が

 伊豆急行の伊豆高原駅(静岡県伊東市)の片隅に、ちょっとレトロな電車が、1両だけで佇んでいます。

 現役は引退していますが、1961(昭和36)年に伊豆急線が開業した当時から残っている唯一の伊豆急車両、100系電車のクモハ103号車です。

 100系電車は、2002(平成14)年までに全車が一度引退しましたが、2011(平成23)年に、伊豆高原駅構内で事業用車として余生を送っていたクモハ103号車の1両が「開業50周年事業」で復活。このクモハ103号車は1両で走行できるため、貸切列車などに使われていましたが、2019(令和元)年に2回目の引退。現在は伊豆高原駅の片隅で、ひとり佇んでいます。

伊豆急100系 今後どうなる?

 伊豆高原駅付近で佇んでいるクモハ103号車の車内へ入ると、レトロではあるものの、いまでも再び走り出しそうな雰囲気。席に座ると、昔の車両らしいバネの感触が伝わってきて、懐かしくなります。

 運転台でも、座席の低さにまた昔の車両らしさを感じます。速度計は100km/hまで刻まれていました。ただ伊豆急線の最高速度は90km/hで、この車両の最高速度は75km/hだそうです。

 この100系電車クモハ103号車は、一見すると、すぐにでも再びその外へ出て行けそうな車両留置線にいるように見えますが、その線路をよく見るとレールの先が切れています。

 伊豆急行オリジナルの車両は、「各駅停車のスーパーカー」としていまなお活躍する2100系電車「リゾート21」と、その開業当時を知るこの100系電車のみ。伊豆急行はこの100系電車について、保存の可能性を検討しているそうです。