ピーチの「マスク拒否」事件など、機内で激高した乗客が起こすトラブル、海外では色々な意味で「目を覆いたくなる」ようなものも存在します。一筋縄ではいかない過去の事例、どういったものがあったのでしょうか。

飲酒、喫煙関連のトラブルが多いものの…

 2020年9月、釧路発関西行きのLCC(格安航空会社)のピーチ便で、乗客がマスクの着用を拒否したことでトラブルに発展、CA(客室乗務員)の指示に従わなかったことから、該当便の乗員は航空法の安全阻害行為にあたると判断し、新潟空港に緊急着陸する事態が発生しました。

 新型コロナウイルスの影響もあり、今回のトラブルが大きく取りざたされていますが、乗客が機内でトラブルを起こし、緊急着陸もしくは折り返し、身柄の拘束に至る事件は世界各地で発生しています。代表的なものとしては「機内で酔ったあげくCAの指示に従わなかった」「機内が全面禁煙にもかかわらず、隠れて喫煙していた」などをきっかけに生じたものが挙げられますが、なかには目を疑うような内容も存在します。

 乗客のトラブルで「最悪なケース」のひとつともいえるのが、1995(平成7)年に起こったブエノスアイレス(アルゼンチン)発ニューヨーク行き、ユナイテッド航空976便のケースでしょう。

 当時の現地メディアの報道によると、トラブルを起こした乗客はファーストクラスに座った投資家。お酒のおかわりをCA(客室乗務員)に拒否された結果、自らギャレー(キッチン)に向かい、お酒を飲もうとしたのをCAにとがめられたことで激高します。

おかわり拒否された客がとった「エグすぎる」行動

 ユナイテッド航空976便でトラブルを起こした乗客は、なんと機内でお尻を出しフードサービス用カートに排泄したのです。さらに、そのあと手足で排泄物を機内中に拡散。最終的に約5000ドルの罰金と、2年間の保護観察処分が科せられたとのことです。

 このほかにも、2013(平成25)年にはLCC(格安航空会社)のイージージェットで、酔った乗客がほかの客とトラブルになった結果、駐機場で全裸になり放尿するというトラブルも発生しています。ところが、機内の衝撃的な乗客トラブル、なにも「酔った結果」というだけでもないようです。

 CNNによると、2015(平成27)年、昆明長水発北京行きの中国東方航空MU2036便は、降雪の影響で当初の出発予定時刻より大幅に遅れていました。乗客は席に座ったまま長時間待たされ、さらに30分の除氷作業が加わり、この作業が終わるまで空調が止められます。このことで一部の乗客が激高しました。飛行機が動き始めた際、翼上の非常口を開けてしまったのです。結果、彼らは拘束され、15日間刑務所に送られました。

 なお、2020年9月にはウクライナでも、到着した飛行機の非常口ドアを開け、乗客が翼のうえに立つトラブルが発生。機内が暑かったため、涼みたかったからといいますが、この客には永久的な搭乗禁止が告げられたそうです。

純粋な乗客じゃないこともある「客室トラブル」

 トラブルを引き起こすことがあるのは、純粋な乗客とも限らないケースもあるようです。日本で広く知られているもののひとつに挙げられるのが、通称「ナッツ・リターン事件」でしょう。

 2014(平成26)年、ニューヨークから仁川に向かう大韓航空機のファーストクラスに同社の副社長が乗り込みます。ウェルカムサービスのマカダミアナッツの提供方法をきっかけに、副社長は激高。すでに飛行機は駐機場を離れていましたが、副社長は駐機場に戻り、客室責任者であるチーフパーサーを降ろすよう一方的に指示。同便は副社長の指示通り、戻ってチーフパーサーが下りたのち、再出発しました。

 国外のメディアがこれを大きく報じたことで、このトラブルは世界に広まり、結果この副社長は辞任。懲役10か月、執行猶予2年の刑を言い渡されました。

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 日本では幸いにも、こういった「目を覆いたくなる」ようなトラブルは滅多にありません。なお、航空法第73条の3に「当該航空機の安全を害し、機内の秩序、規律をみだした場合、必要な限度で機長はその者に対し、拘束その他行為を抑止するための措置をとり、またはその者を降機させることができる」と記載されており、その乗客がCAの注意を聞かない場合は警告書を提出、それでも聞かない場合、拘束や強制降機となります。