7月8日、スタジオポノックが制作した長編アニメ映画『メアリと魔女の花』が、満を持して公開になった。『借りぐらしのアリエッティ』『思い出のマーニー』の米林宏昌監督が手がけた第3作目として注目されている。



ポノックが設立されたのは2015年。北陸3県(富山・石川・福井)から福岡県(山陽新幹線のみ)までのJR西日本管内に在住であれば、同年に放送されたアニメCM「JR西日本 SUMMER TRAIN!」(百瀬義行監督)を覚えている人もいるかもしれない。





当時このアニメCMは視聴者から「ジブリっぽい」と言われたが、それもそのはず。ポノックは前年にスタジオジブリの制作部門が解体されてから、米林監督の新作長編映画を制作すべく始動したスタジオだからである。



さて『メアリと魔女の花』の「魔女、ふたたび。」というキャッチコピーは、やはり人々にジブリの過去作品『魔女の宅急便』を想起させる(原作小説の初版の時系列としては『メアリと魔法の花』が1971年、『魔女の宅急便』が1985年)。



主人公・メアリ役は『思い出のマーニー』で赤縁メガネっ娘・彩香を演じた杉咲花。そしてピーター役は『借りぐらしのアリエッティ』で翔を演じた神木隆之介。「夜間飛行」とは何か、「呪文の真髄」とは何か。それらの謎が、メアリ達と行動を共にする。



(C)2017「メアリと魔女の花」製作委員会

(C)2017「メアリと魔女の花」製作委員会




そして主題歌はSEKAI NO OWARIの「RAIN」。6月30日には、同曲のショートバージョンPVがYouTubeで公開された。それを見ると本予告編よりも、歴代のジブリ映画を彷彿とさせるシーンが続々と登場していて驚いた。ネタバレにはなっていないものの、そのPVを見ると映画本編の印象に影響するかもしれないので、先に見るか後で見るか悩ましい。



>SEKAI NO OWARI 「RAIN」 Short Version PV 主題歌映画「メアリと魔女の花」



米林監督は、各メディアのインタビューにて「ジブリに20年いたんだから作風が似るのは仕方ない」といった主旨の解答もしている。ちなみにポノックはクロアチア語で「深夜0時」を意味する。この『メアリと魔女の花』に米林監督の新たな始まりを感じた。



一方、長編映画の制作から引退したはずが、復帰するとの報道で話題が持ち切りの宮崎駿監督。発端は、昨年11月に放送のNHKスペシャル「終わらない人 宮崎駿」にて、制作中だった短編『毛虫のボロ』の紹介だけでなく、長編の企画をチラ見せして終わったことだった。



この番組の放送後には、ポノック内も騒然としたと聞く。いくらジブリとはいえ、制作部門を解体してしまえば、制作スタッフを集めるには苦労するからだ。今年5月には育成を兼ねて新人の募集を開始したが、それに関しても心配の声が聞かれる。



宮崎監督は今年1月、制作状況が気になったのかポノックを訪れていた。『メアリと魔女の花』には、宮崎監督の名前もクレジットされている。果たしてどんな肩書なのだろうか。他にもクレジットには色々と名前が見られるので、エンドロールも離席せずに見ておきたい。



(文・真狩祐志)


『メアリと魔女の花』

公開中





【声の出演・スタッフ】

杉咲花 神木隆之介 / 天海祐希 小日向文世 / 満島ひかり 佐藤二朗 遠藤憲一 渡辺えり / 大竹しのぶ



原作:メアリー・スチュアート「The Little Broomstick」

脚本:坂口理子

脚本・監督:米林宏昌

音楽:村松崇継