7月28日、日本テレビ系列「金曜ロードSHOW!」では、スティーブン・スピルバーグ監督の恐竜映画の傑作『ジュラシック・パーク』が放送される。“映画史を変えた傑作”と呼ばれる本作だが、その“スゴかった”ポイントとは?



『ジュラシック・パーク』絶賛レンタル販売中!

『ジュラシック・パーク』絶賛レンタル販売中!




【あらすじ】

大富豪ジョン・ハモンドの招待で、古生物学者グラントとサトラー、そして数学者マルコムが南米コスタリカの沖合いに浮かぶ島を訪れた。そこは太古の琥珀に閉じ込められたDNAから遺伝子工学によって蘇った恐竜たちが生息する究極のアミューズメント・パークだったのだ。だがオープンを控えたその“ジュラシック・パーク”に次々とトラブルが襲いかかる。嵐の迫る中、ついに檻から解き放たれた恐竜たちは一斉に人間に牙を剥き始めた。



映画史を変えた! 初めて「CG」で描かれる“生き物”たち



まず、本作で特筆すべきは、当時画期的だった「CG」を駆使した撮影だ。スピルバーグ監督作『ヤング・シャーロック ピラミッドの謎』を皮切りに、ジェームズ・キャメロン監督『アビス』、『ターミネーター2』でも用いられてきたCG。ILMと共に『ターミネーター2』の撮影にも関わっていたスタッフの一人デニス・ミューレンは、「恐竜をコンピューターで作らせてくれないか? 頭からつま先まで」と、CGI史上初となる“生き物”の撮影をスピルバーグに提案する。当初はゴー・モーション(ストップ・モーションの現代版)による撮影を予定していたスピルバーグだったが、ミューレンらが制作したテスト映像に映し出される、滑らかな恐竜の動きに「未来の画像を見ているようだった。とてもリアルで目を疑った」と驚愕。ゴー・モーションの代わりに全編でCGIを使用することを決意する。



そんな驚異的な最新技術に、ゴー・モーションを担当していたフィル・ティペットはスピルバーグに「僕は絶滅だよ」と一言。その“絶滅”というセリフは、初めてジュラシック・パークを訪れた古生物学者グラントに対して数学者マルコムが皮肉るセリフにも使用されており、当時の制作陣にとっても「CG」が革新的な技術だったことをうかがわせる。その後も、象、キリン、サイ、爬虫類など実際の動物の動きを参考にしたり、アニメーター自身がパントマムで恐竜の動きを再現するなど様々なアプローチで“CGI恐竜”を創り出していった。ゴーモーションのティペットも、本作では“CGI恐竜の演出家”として制作に大きく関わっていた。



そんな「CG」技術の中でも見逃せないシーンに、クライマックスでレックスが天井から落ちそうになる場面がある。実は、そのシーンではスタントマンを起用しているのだが、CG処理でスタントマンの顔をレックスの顔に編集している。演者の顔さえも自在に操れる革新的な「CG」の技術。当時のクリエイターにとって、限りない映像化の可能性を開拓したワンシーンとしても注目を集めた。



>初期のゴー・モーション作品といえばコレ!



CGだけじゃない! アニマトロニクスによる迫力の実写!



もちろん本作では、CGIだけではなく、アニマトロニクスと呼ばれるロボットを使用した従来の撮影方法も数多く活用されている。グラントとサトラーが出会うトリケラトプスをはじめ、豪雨の中で襲ってくるT-レックスでは体重が4トン、体長12メートルと超巨大サイズのロボットで撮影が行われている。その大迫力もさることながら、恐竜の肌のきめや色、瞬きから呼吸の細部も再現。その姿は、6,500万年前の恐竜がまさにその場に息づいているかのようなリアルさだ。



そして、そんな恐竜たちを印象付けるのが巨匠・スピルバーグによる“登場の演出”だ。先に挙げたT-レックスの襲撃シーンであれば、コップの水の揺れや、バックミラーの揺れでその巨体が迫ってくる様を演出。また、ラプトルが襲いかかってくるシーンでは、鼻息で窓ガラスを白く曇らせる…。そんなスピルバーグの演出と緻密な恐竜のデザインによって、恐竜の“生きている姿”を映し出している。



>“アニマトロニクス”映画の代表作といえば…



幻の鳴き声はどうやって作られた?



恐竜の“鳴き声”は、化石から復元することができない幻の音だ。そんな誰も知りえない恐竜の鳴き声を創るにあたり、スピルバーグはサウンドデザイナーに「ゴジラのような声ではなく、動物のような声をつくるように」と注文した。そこで本作のスタッフたちは、実際に動物の声を収録し、合成させることで鳴き声を作り上げた。



例えば、エンジニアのネドリーが遭遇するディロフォサウルスの鳴き声は、白鳥の鳴き声に加え、「タカ+ガラガラヘビ+サル」の複雑な音の組み合わせで独特な鳴き声を形成している。また、映画後半でグラントたちに襲い掛かるラプトルは「イルカの高音とセイウチの低音」を混ぜ合わせた音で恐ろしげな声を演出している。



形、動き、に加えて動物の声を混ぜ合わせることで、実在はしないがとても生々しい“幻の鳴き声”をつくりあげているのだ。



そんな本作についてスピルバーグは「恐竜の存在は、現在の人類と同じだという風に伝えたかった。観客に『本物の恐竜を見た』と言ってほしかった」と語っている。形、動き、そして鳴き声まで…純粋に“動物”としての姿を追及した映画『ジュラシック・パーク』は、公開から20年以上たった今でも、私たちに“恐竜”との遭遇というワクワク感を提供してくれる名作といえるだろう。



>【併せてみたい…】来週放送『ジュラシック・ワールド』“オマージュ祭”のみどころは…?



(文・nony)



参考:『ジュラシック・パーク』DVD特典映像「メイキング・オブ・ジュラシック・パーク」より