anderlust、4枚目のシングル「#Hashtag」は、SNSを通して見える女の子の活き活きとした表情と、その裏に秘められた思いをキャッチーなサウンドに乗せた、この夏にぴったりのサマーソング。



MVには「TERRACE HOUSE ALOHA STATE」に出演し話題となったモデルのNikiや、アーティストとしても活躍するモデルのUnaを起用し、女の子の共感を集める作品に仕上がっている。思いがけず二人の恋愛観の話にまで至った今作の制作秘話を堪能していただきたい。(インタビュー&文:大窪由香)



―昨年3月のメジャーデビューからの一年間は、いろんな経験をされたと思いますが、どんな一年でしたか?



越野アンナ「一言で言うと冒険でしたね。悲しいこともあれば楽しいこともあったし、嬉しいこともあったし、本当に今までの人生が眠っていたかのような感じです(笑)。あまりにいろんなことがありすぎて、すごく楽しかったです」



―凝縮された一年でしたか?



越野「そうですね。個人的には(デビューは)小さい頃からの夢だったので、それが叶ったっていうことで、いろいろ開かれていきましたね。自分の視野や物の見方、捉え方も全部広がっていって、自分自身すごく成長した一年だったなと思います」



―西塚さんはいかがですか?



西塚真吾「この一年で二人の間でもぶつかり合ったりしたこともありますけど……最近僕の中でちょっと事件があって、今回のMVの件なんですけどね。それは後ほど、MVの話の時にします(笑)」


女子旅で聴いてもらえそうな曲をanderlustからも提供したいなと思ってできた曲



―そうですか(笑)。ではさっそく4thシングル「#Hashtag」の制作についてですが、今回はどんなテーマで作っていかれたんでしょうか?



越野「今回は夏らしいものを作りたいなと思っていて。自分の周りで今ちょっと流行ってるのかなと思ったのが、女子旅なんです。海外に行ってるような人もいれば、ちょっと近場で泊まったり。そういう写真をインスタグラムにUPしたりしている人が増えたなと思っていたので、そんな女子旅で聴いてもらえそうな曲をanderlustからも提供したいなと思ってできた曲です」



―今作は作詞も作曲も違う方のものですが、それはどういう経緯ですか?



越野「今言った女子旅をテーマに、いろんな方に曲を書いていただいて。もちろん私たちも作ってはいたんですが、いろんな曲を聴かせていただいた中で、全員一致でこの『#Hashtag』がいいねってなったんです。それから歌詞は今回もいしわたり淳治さんにお願いをして。いろんなメールのやり取りを経て完成しました。今回初めて海外の作曲家さんと一緒にやらせていただいたんですけど、本場はやっぱり違うなと。かっこいいなあと思いました。私としては洋楽がルーツなので、そういう意味で懐かしいって思いで心を揺さぶられた感じはありましたね。アメリカで普通に流れててもおかしくないような曲が私たちのところに舞い降りてきた。じゃあこれしかない!って」



西塚「最初、デモの段階では英語の詞が乗っていたので、その時は本当に洋楽って感じだったんですけど、いしわたりさんの日本語詞が乗った途端に、すごい親しみやすくなったというか。日本でも普通に受け入れてもらえるというか、J-POPな要素も入ってきた感じで、その化学反応が僕には衝撃的でした。すごいなと思いましたね」



―今までのanderlustの曲では、ここまであっけらかんとした明るい曲はなかった気がしますが、レコーディングはいかがでしたか?



越野「今まで歌った曲の中で、歌うのが一番楽しかったですね。ここまで英語詞が入っている曲も初めてなので、それを歌うとなった時に、レコーディングがめちゃくちゃ楽しかった印象があります」



―西塚さんのベースはかなりビートが効いている感じで。



西塚「はい。すごいノリノリの体を揺さぶられるような楽曲なので、そういうグルーヴやノレるようなアプローチを意識して演奏しました」



―歌詞については先程いろんなメールのやり取りをされた、とありましたが、越野さんの意見が結構反映されているんでしょうか。SNSを活用しているイマドキの女の子をすごくよく捉えてますが、いしわたりさんは男性ですし(笑)。



越野「結構いろいろとお話させていただきましたね。もちろん総合的に見て通らなかった意見もありましたけど。やっぱり写真をあげる時はハッシュタグは欠かさずつける子が多いんですよ。こういう文化は私の周りから直で詞になってると思います」



西塚「いしわたりさんって、女性なんじゃないかって思えるくらい女の子っぽい歌詞を書いてきますよね。今回はこういうテーマだと教えられた時に、おしゃれな感じとか、SNSに美味しそうに撮ったご飯の写真をあげたりしている子が何人か思い浮かんだので、僕もわざとそのSNSを見にいったりしてリサーチしました(笑)。そしたら、あるある!ってすごい共感しましたね」



越野「でも今回の歌詞は、女の子より男の方がひどくないですか?突然自分のもとを去った男性を引きずる女の子がいて、「女子旅でも行って、そんな男忘れちゃおう!」という女子同士のやり取りから始まるっていう話なんですよ。それをインスタグラムとかに更新してたら、その男が“なんか活き活きしてるな”って思って連絡してくるっていう」



―しかも、他の女の子とのうわさ話も聞こえてきてて。



越野「そうなんです。だから私はこの男の人は嫌いです(笑)」



―西塚さんはこの男性の心境分かりますか?



西塚「すごい分かります(笑)。昔付き合ってた女の子は今何してるんだろうってふいに思い出して、調べちゃいそうになることってあるじゃないですか」



越野「あるんだ?!」



西塚「うん(笑)。当時とは違うな、みたいなことを知ることも、今のSNSが発達している時代ならあると思うんで、男性目線で見ても共感する部分はあると思うし、女の子の言ってることもすごく分かるし、いろんな目線で見れるかなと思います」





「#Hashtag」MV撮影の事件とは…?



―なるほど。SNSが発達して、恋愛観も随分と変わってきてるのかもしれないですね。それではいよいよミュージックビデオについて伺いたいと思います(笑)。今回は越野さんが全面プロデュースされたんですよね。



越野「はい。インスタグラムを意識していて、“いいね”を押したくなるような映像にしたいなと思っていて。それでガールズトリップということで、初めてハワイに行ったんです。すごい楽しかったんですけど、スケジュールがハードで。1時2時に寝て6時に起きるっていう日が4日ぐらい続きました。でも充実してましたね。出演してもらったモデルのNikiちゃんやUnaちゃんと本当に姉妹になったような感じでしたね」



―MVも撮影のお話も実に楽しそうですが、西塚さんにとっては事件だったと。



西塚「そうですね。完成したMVを見るとハワイに行きたくなるような作品に仕上がってたんですけど、それを見て一番ハワイに行きたいなと思ったのは僕でした」



―ということは……。



西塚「僕だけハワイに連れて行ってもらえなくて。普段あんまり大きな声を出さないんですけど、今回置いてきぼりだっていう事実を聞いた時に、今までに出したことがないくらいの大声で『えぇ〜っ!!』って。だから撮影中の写真がインスタグラムやTwitterにあがってくるんですけど、僕は日本にいて時差がちょっとあるから、少し暗いところでそれを見て、“行きたいなあ…”ってずっと思ってましたね(笑)」



越野「お留守番ありがとう(笑)。三人でお土産を選んで来て渡したんですけど、Nikiちゃんとかお土産を選ぶセンスも面白くて。私は普通にマカダミアナッツチョコだったんですけど(笑)帰国してすぐ渡したらすごい喜んでくれました!」



―なかなか切ない事件でしたね(笑)。でもこの曲をきっかけにハッシュタグポーズや女子旅がもっと盛り上がったらいいですね。



越野「そうですね、ハッシュタグポーズは写真を撮る時に手を伸ばしてカメラに向けて撮ると、遠近法で小顔効果が出るんですよ(笑)。流行ってくれたらいいなと思います」



―“# # #”とハッシュタグを3回歌うところは、“はしゃぐ”にも聴こえて、そこもまたいいですよね。



越野「まさにおっしゃる通りで、実はレコーディングの時にハッシュタグの部分を英語過ぎず日本語過ぎず、ちょうど中間のところで歌ってるんですよ。なのでここで“はしゃぐ”っていうふうに歌っても、また別の楽しみ方ができるんじゃないかなと思います」



ABCマートのテレビCMでもおなじみの「Happy Birthday to You」。anderlust初めてのバースデーソング



―そして二曲目の「Happy Birthday to You」ですが、頭の部分で「Happy Birthday to You」の原曲が丸々入っているのも面白い構成ですね。



越野「私がABCマートさんの“コンバースオールスター100”のテレビCMに出演させていただいた時に、この『Happy Birthday to You』の原曲を歌わせていただいて。それをきっかけにanderlustで初めてのバースデーソングを作ろうっていうことになったんです。冒頭の部分は真吾さんのアイデアで」



西塚「そういうCMの流れがあったので、その流れで進めていいんじゃないかと。アレンジとしては生まれきてくれてありがとうっていう、ハッピーな部分を表現して、J-POPの王道ではあるんですけど、ちょっとロックな要素を入れたいなと思っていたので、サビのギターとかはちょっとそういうイメージを入れた感じのアレンジになっています」



―歌詞も、テーマが決まっていたからそこから広げていった形ですか?



越野「そうですね。この歌詞で難しかったのが、どういう目線で立って、誰に向かって歌えばいいんだろうっていうところで。前からTwitterで誕生日を祝ってもらったり、逆に『今日誕生日なんです』っていうメッセージをいただいてお祝いさせていただくこともあって。でも、文字だけのやり取りでもどかしい気持ちもあって。それでファンの方々に対して歌いたいなと思って最初は書き進めていったんですけど、そこからいろいろと変化していって、最終的に着地したのが、『#Hashtag』の主人公の男女がまだ付き合っていた時の誕生日、というのを思い浮かべました。いつも男性に助けられていて、私は何も返せてないけど今日だけはお祝いさせて、って。今日はあなたにとっての特別な一日になることを思って、手伝わせて、っていうメッセージですね」



「真夏よりも」の女の子は、あえて起こさず遅刻させて。悪い彼女ですよね(笑)



―いや、実は聴かせていただいた時に、この曲のストーリーも「#Hashtag」の男女なのかなと、ちらっとよぎったんですよ。でも、もしそうだとしたら、この男に対して余計に腹が立つなと思って。



西塚「アハハハハハ!」



越野「そうですよね(笑)。しかもこんなふうに大切に思っていた相手が突然いなくなって。その冬は辛かったんですよ、きっと。その冬バージョンの曲は次回に書きます!(笑)。私も怒りに満ち溢れています(笑)」



―とはいえ、曲自体はとても胸にじーんと響く名曲です(笑)。それで三曲目の「真夏よりも」の男女なんですけど……。



越野「ここはまったく違います! ここは一緒にしなくて大丈夫です(笑)」



―そうですか(笑)。でも聴かせていただいた時、二曲目と三曲目の男女の距離感が似てるなと思ったんですよ。心の距離感みたいなものが。



越野「ああ……実は……これを言うのすごく恥ずかしいなあ!(笑)。実は二曲目の説明ではあえて言わなかったことがあって。『Happy Birthday to You』のストーリー自体は『#Hashtag』を意識してるんですが、実際のところ過去の恋愛で一人の人を思い浮かべて書いていた部分もあったんです。実体験ではないんですけど、二曲目と三曲目、イメージした人は一緒です」



―そうでしたか(笑)。すごく共通する雰囲気を感じました。



越野「バレてしまいましたね(笑)。この曲はとにかく明るい夏らしい歌がいいなと思って作った曲で、最初はラヴソングになるのか、友情の歌になるのか希望の歌になるのか、全然決まってなかったんですけど、メロディが出てきた時に“この恋の中にある季節は”っていうフレーズが出てきて。そこから引き出していった感じです」



西塚「サウンドはシンプルに、みたいなところを思い描いて。奏法も他の曲と違うんですけど、音もタイトでゴリッとした感じのロックな感じ。シンプルなロックサウンドを個人的には目指しました。デモを聴いた時の直感的な部分として、力強さっていうのも表現したいなと思ったので」



―なるほど。すごく好きなんだけど、盲目すぎない感じがいいですよね。



越野「そうなんです、そうなんです(笑)。客観視しようとしてるんですよね。のめり込みすぎる自分がちょっと怖くなって、一歩引きたがる。それで客観視して見るんだけど、やっぱりあなたは完璧だと思って、またのめり込んでいく。寝顔っていうのが一貫してあるんですけど、あえて起こさず遅刻させて。悪い彼女ですよね(笑)。たぶん女の子に起こしてもらいたいと思ってると思うんですけど。どう? そういうことある?」



西塚「いや、起こさなきゃダメでしょ。仕事なんですから。いい彼女とは言えません」



―目覚ましかけて自分で起きればいいじゃないですか。



西塚「そこは相手を信頼しているっていう証拠かもしれないですね。朝弱い人もいますからね」



越野「それそれ! ね、悪い彼女なんです。でも決して私ではありません!(笑)」



>オフィシャルサイト http://www.anderlust.jp/