芥川賞を受賞した爆発的ベストセラー『火花』に続く、又吉直樹の小説第2弾『劇場』は、劇作家を目指す永田と女優を目指す沙希の不器用な恋愛を描く、大人のラブストーリー。



運命的な出会いから付き合い始めた永田と沙希。ほどなく二人は同棲を始めるが、永田は夢と現実、自意識と挫折感のはざまで葛藤を抱える。耐えきれず家を飛び出す永田だが、やがて“大切なこと”に気付き、沙希との関係を見つめ直していく。



読者からは「号泣した」「涙なしでは読めない」との声が圧倒的だ。人を愛するとはどういうことか、自分にとって大切にしたい人は誰かに気付かせてくれる。



本作はもともと『火花』より先に書き始められたが、一旦中断して先に『火花』を書き上げ、のちに執筆再開されたという経緯を持つ。そういう意味で、著者の原点ともいえる作品だ。



(文:松本理惠子)