国籍や人種、性別、障がいの有無に関わらず、すべての人が活躍できる社会を目指すダイバーシティー。厚生労働省の調査(※)によると、障がい者雇用数は年々増えており、企業の実雇用率は1.82%と法定雇用率の2%に近づいている。その一方で、職場で十分な能力が発揮できず、雇用が長続きしないケースも現実には散見される。



そんな中で、社員の7割が知的障がい者の会社がある。神奈川県川崎市にあるチョーク製造会社、日本理化学工業株式会社では、昭和36年から障がい者を積極的に雇用し続け、業界シェアトップを確立。『虹色のチョーク』は、その軌跡を当事者や関係者への取材から振り返るノンフィクションだ。



各人の能力にあった仕事を創出することで、誰もが働く幸せを手に入れられる。そのことを、本書は実証して見せてくれる。きれいごとでは片付かない現実や、福祉と経営の両立に葛藤する経営者の姿も参考になる。すべての人が輝ける日本のために、お手本にしたい1冊だ。

※厚生労働省「平成26年 障害者雇用状況の集計結果」



(文:松本理惠子)