七夕の7月7日にZepp Tokyoで結成10周年を記念するアニバーサリーライブ「10th Anniversary LIVE『Guns of Liberty』」を開催したvistlip。バンドの記念すべき10才のバースデイを祝うため、当日は満員のファンがZeppを埋め尽くした。



節目の年を迎えての真面目な話から、アニバーサリーなのにケーキがなかった笑える話など、ライブを振り返りつつ、10年をテーマに懐かしい思い出も5人に話してもらった。なお、このインタビューはライブの数日後に行われた。(インタビュー&文:山本弘子 撮影:高山和久)


—まずは7月7日の10周年ライブにまつわるあれこれを聞きたいと思っているのですが、セットリストも含めて良いライブでしたね。



智(Vo):今回、セトリもすごく考えたんですよ。歴史を追っていくような構成がいいのかなとか、いろいろ模索したんですけど、最終的にみんなに喜んでもらえて間違いなかったなって。



—どういうふうに考えていったんですか?



智:大まかなものは瑠伊と考えて。



瑠伊(B):そう。「SINDRA」で始まったんですけど、1曲目の候補を何曲か出すというやり方で。



智:ほかの曲も何パターンか出して、そこからみんなで選んでいきましたね。最初、「B」は選ばれなかったんですけど、「やらないの?」って言ったら「じゃあ、やろう」とか。「FIVE BARKIN ANIMALS」と「WIMP」はどちらかをやる予定だったんだけど、「両方やろう」って。



瑠伊:曲数がどんどん増えていった(笑)。



智:でも、いつもより曲を多めにやろうって言ってたので、結果、あのボリュームで良かったのかもしれない。



瑠伊:終わった時、時計見たらビックリしたけどね。22時過ぎてた。



海:3時間だったもん。



感動することを前提にはやりたくなかった。それよりも笑顔で始まって笑顔で終わるライブにしたかった




智(Vo)




—長い時間には感じなかったですけどね。あの日はふだんは演奏しないレアな曲も披露していて。



智:「I am…」(2011年7月7日のZepp Tokyoで配布されたCDに収録)とかですよね。



Yuh(G):曲が始まった瞬間、みんなが動かないから「曲を知らない子がいっぱいいるんだな」って。



智:配布音源でCDには収録されていないし。曲の存在を知らなかったら探すこともできないので、知らなくて当たり前みたいな部分があると思うんですよね。



Tohya(Dr):メンバーも音源持ってないんですよ(笑)。



—そうなんだ。今年の7月7日に初めて演奏した曲はあります?



海:わかんないけど、ほかのライブでは「STRAWBERRY BUTTERFLY」と「B」は続けては絶対演奏しないですね。



智:個人的には七夕=10周年=感動的っていうライブを期待されてるのかなとも思ったんですけど、感動することを前提にはやりたくなかったんですよね。それよりも笑顔で始まって笑顔で終わるライブにしたかった。もちろん、結果、感動してもらうのは嬉しいけど。



Yuh:もっと、号泣したりドラマがあるのかなと思ったら、全然、そんなことはなくて俺自身は演奏している最中も終わった後も、いつもとそんなに感覚が変わらなかった。ただ、ライブ後にみんなの感想を聞ける場があったんですけど、そこでは「すごく良かった」「めっちゃ泣いた」っていう感想ももらって、自分が思っている以上に良いライブができてたのかなって、そこでやっと実感しましたね。



海:10周年の実感ってよくわからないよね。ライブ直後のコメント録りでも言ったんですけど、10年もバンドを続けた経験がないので「これがそういう感じなのかな」っていうぐらいの感覚。



智:海、Twitterもひどかったもんね。瑠伊やYuhが「七夕です。10周年迎えました!」的なツイートをしているなか、「気づいたら日付変わってた」みたいなこと書いてて(笑)。



海:まったくもってそういう感覚だった。



智:空気、読めよ。ツイートするな(笑)。



海:でも、ライブ自体はお客さんの空気感とか会場の雰囲気がいつもと違ったんですよ。熱気がすごいっていうのとも温かいっていうのとも違う味わったことがない空気感で「特別なものなんだな」とは思いました。



サプライズ的なことが何もなかった結果、終演後に5人だけでシャンパンを開けてみました(笑)




Yuh(G)




Yuh:あと俺のヴィジョンでは制作陣がサプライズでケーキを持ってきてくれるのかなと思ってて(笑)。



—あ〜! そういえばケーキなかったですよね。



Yuh:前日に「あるのかな」ってちょっと思ってたけど、なかったから、それも実感がないことに繋がっているのかも(笑)。



Tohya:それあるね〜(笑)。



海:ケーキは去年やめようって言ったの。ファンの子も毎年、送ってきてくれるじゃない?



智:でも、ファンの子からのケーキもなかったよ(笑)。



海:だから、みんな同じこと考えたんだと思う。



智:いただいた花は素晴らしく豪華だったけど。



—なるほど。スタッフもファンも遠慮しちゃったんですね。



海:それだけじゃなくてサプライズがあると智が言いたいことがあっても話を中断させちゃうことがあるから、もったいないよねって。何もなかった結果、終演後に5人だけでシャンパンを開けてみました(笑)。



—MCの中断といえば、今回、智くんがしゃべろうとすると、ことごとく瑠伊くんの機材のノイズが入ったり。



瑠伊:ことごとくじゃない。1回だけ(笑)!



—海くんがタオルで何かやってて、智くんの気が散ったり。



Yuh:下手(しもて)にありがちな罠ですね(笑)。



—海くんのヘアスタイルも話題になってましたね。




海(G)




海:あれは1stミニアルバム『Revolver』の頃の髪型です。



智:ちゃんと白いコンタクトも入れてね。



海:カラコン入れてライブするなんて数年ぶりですよ。前に出ていくと怖がっている子もいるし、昔から見にきているファンの中には笑っている子もいるし、特異な格好なんだなと思いました(笑)。ただ10周年だし、何かしようと思ってたんですよね。



Tohya:懐かしかったですね。



—瑠伊くんは初Zeppの格好を意識したんでしたっけ?



瑠伊:意識したというよりも、初Zeppの時もああいう手の込んだ髪型してたので10周年ということで考えたら似たようなスタイルになったんです。



智:七夕に瑠伊がそういうことするって言うとヘアメイクの方も気合いが入るじゃないですか。僕も「やってみたい髪型やメイクある?」って聞かれて「ないよ」って答えたら、(メンバーに見せながら)こういうLINEスタンプが送られてきたからね。



全員:(笑)。



瑠伊:「は?」みたいなニュアンスだよね。



智:だから、残り3人はそのままの姿でした。



Yuh:現在と過去(海&瑠伊)です(笑)。



—Tohyaくんは痩せられなかった代わりにアンコールで腹筋が割れたTシャツ着て登場しましたけどね。



Tohya:あれ客席後方から見たら本物に見えたみたいなんですよ。



智:モニター越しにはそう見えたけど。



Tohya:どのタイミングで偽物だって言うか悩んでたんですよ。だったら、もう少しひっぱれば良かったなって(笑)。



—今、思い出すライブ中のシーンってあります?



智:「Hameln」で海が歌う箇所を歌わせようとしたら、今回逃げてたね。10周年なのに(笑)。



Yuh:あと「Hameln」でバックに当時のミュージックビデオが流れたんですけど、智がTVのモニターの中に飛び込むシーンがあって、何も打ち合わせしてなかったのに俺がふざけて飛び込むパフォーマンスをしてたら、智は映像に合わせて着地してて。あれは面白かったですね。



智:あの曲は遊んだな。



瑠伊:7年前の映像だから恥ずかしかった(笑)。



Tohya:モニター越しにメンバーが智を呼び込む演技がベタすぎる(笑)。あとは「July Ⅶth」(七夕にしか演奏しないナンバー)の時にみんなが振るルミカライトが年々増えていってるなって。



Yuh:最初、みんな下のほうで持ってるから見えなくて「うわ、少なっ!」と思ったんですけど、曲が始まったら、みんなちゃんと照らしてくれて安心した。



海:確かに。



智:ただ、つける時のあの音がね。毎年のことだからわかってるんですけど、感動的なイントロで“パキパキパキ”って(笑)。あれも七夕の名物ですね。



『THEATER』ワンマンツアーの頃は考えてもわからなかった結果、がむしゃらにやるしかなかった




瑠伊(B)




—では、この10年を振り返ってのそれぞれの心に残る思い出は?



海:細かくは覚えてなかったりするよね。「vistlip好きになって10年です」って言われると、「結成した時、俺ら公表してなかったけどな」って。



Yuh:はははは。厳密に言うとね。



瑠伊:半年は寝かせてたからね。



海:自分も何年にどんなことがあったかハッキリ覚えてないぐらいだから、好きでいてくれる人もそんな感覚で、つまりそれぐらい長い月日なんだなって。



—だって14才だった人が24才で働いていたりするんですよ。



智:長いですね。



Tohya:なげーな(笑)。



海:確かに。結成した頃は特に何もしてなかったんですよ。



—みんなで集まってただしゃべってたんでしたっけ?



海:智がどう考えてもこれから行ったら終電ギリギリだろうっていう時間に呼ぶんですよ(笑)。



智:楽しかったな。よく遊びに行ったしね。



海:覚えてるのはアルバム『THEATER』のワンマンツアーの時ですね。単発のライブやイベントとワンマンツアーって違うだろうから、制作チームにどうすればいいのか相談したら、酔っ払ったスタッフに「そんなの自分で考えろよ」って言われて(笑)。翌日にメールでアドバイスしてくれましたけど。



—初々しい時代があったわけですね。



海:あの時期は考えてもわからなかった結果、がむしゃらにやるしかなかったですけどね。



智:俺は自分たちの芽が出てきたなと思った瞬間かな。当時、対バンイベントで大阪バナナホールに出たんですけど、いつもはSEを流して登場していたのがその時は板付き(幕が上がった時点でメンバーがステージにいること)で「TWISTER」から始めたんです。



瑠伊:あったなぁ。



海:確か、トップバッターだったんだよね。



智:ライブの幕が開いた時の歓声がすごくて、今朝も思い出したぐらい。全員で喜んだんですけど、あの時の気持ちは忘れちゃいけないなと。



—それはいつ頃ですか?



瑠伊:『THEATER』ぐらいじゃないかな。俺がドレッドだった記憶がある。



智:やっと、それぐらいから大きな歓声をもらえるようになって。



ファンの子のヒストリーにvistlipの曲が刻まれたんだなって改めて実感してる




Tohya(Dr)




—瑠伊くんの思い出は?



瑠伊:いちばん印象深いのは活休明けですね。半年間、ほぼメンバーとも連絡をとりあってなかったので、そろそろ動くという時期にリハーサルに入ったり、レコーディングのための曲のやりとりをしながら「もう1度、動き出せる」って。その感覚がいちばん深いかなって思います。



Tohya:俺は思い出というか、10年やってきてファンの子から「vistlipを好きになって○年たちました」って言われるようになったんですよね。それぞれに思い出の曲があるのを聞くと歴史を感じますね。自分も聴き手だった時は好きな曲を聴くと青春が蘇っていたので、同じようにその人のヒストリーにvistlipの曲が刻まれたんだなって改めて実感して、作った意味があったなって。



—聴く人の人生に残る曲が作れたんだなって。



Tohya:そうですね。「今後も聴く人の気持ちに入りこめるような曲を作らないとな」ってやる気が出ましたね。



Yuh:10周年だからこそだと思うんですけど、「高校生だったけど、今は22才で働いています」とか「毎年、七夕だけは見に行ってるんです」っていうメールをもらったりするんですね。月日がたって、忙しくてなかなか見に来られないような状況になっても記念日にはお祝いしに来てくれたり、ライブには行けなくても音源はずっと買って聴いていてくれたり。いつもライブに来てくれてそばにいてくれる子たちへの感謝はもちろんなんですけど、10年というタイミングだからこそ想いを伝えてくれる子も多かったから、月日は実感してますね。



—5年前なら、そんなふうに思わなかったかもしれないですね。



Yuh:そうですね。それだけ長い時間、ひとつのバンドを好きでいられるって難しいと思うんですよ。興味が移ることもあるだろうし、俺自身、いろいろな音楽を聴くし、そういう中で気にかけてくれて、ずっと頭の中にvistlipが存在しているんだなと思うと、10年目の節目であらためてとても嬉しく思います。





>vistlip10th Anniversaryインタビュー後編 バンド結成日の約束の曲「July Ⅶth [Re:birth]」についての5人インタビューを読む!



リリース情報












July Ⅶth [Re:birth]〜10th Anniversary Edition〜



2017年8月23日発売



MJBD-72245 ¥2,400(税抜)




Track1:「July Ⅶth [Re:birth]〜10th Anniversary Edition〜」Music Video Track2: LIVE CLIP「WINP」

Track3: LIVE CLIP「星一つ灯らないこんな夜に。」

Track4: LIVE CLIP「BitterSweet Ending」

Track5: LIVE CLIP「Credit」 ~ LIVE CLIP from vistlip ONE MAN TOUR「Taste of BitterSweet」 at SHINAGAWA STELLAR BALL 2017.05.21





vistlip 10th Anniversary Tour「Encounter the Phantoms」



2017.10.21(Sat) 仙台RENSA



〜[Left side LAYOUT[idea]]〜





2017.11.03(Fri) 福岡DRUM LOGOS



〜[VIIth anniversary tour “Progressive Jack Pot”]〜





2017.11.16(Thu) 名古屋DIAMONDO HALL



〜[FBA]〜





2017.11.24(Fri) 大阪BIG CAT



〜[Sequence of chronograph]〜





2017.12.01(Fri) 豊洲PIT



〜[the end of ORDER MADE]〜





2017.12.03(Sun) 金沢EIGHT HALL



〜[revelation space]〜





2017.12.13(Wed) 札幌PENNY LANE



〜[GATHER To the THEATER]〜












vistlip

Profile & Information



メンバーは智(Vo)、Yuh(G)、海(G)、瑠伊(B)、Tohya(Dr)。2007年7月7日結成(結成日エピソードは連載るいtrip!!参照!)。2008年4月に1stミニアルバム『Revolver』をリリース。同年9月には1stシングル「Sara」をリリース。2008年7月7日には初ワンマンライブをO-WESTで開催。以降7月7日に周年ライブを開催するように。2013年の7月7日からは毎年Zepp Tokyoで結成記念のライブを行う。



これまでに『Revolver』『PATRIOT』『GLOSTER』『SENSE』という4枚のミニアルバム、『THEATER』『ORDER MADE』『CHRONUS』『LAYOUT』『BitterSweet』という5枚のフルアルバム、18枚のシングルをリリース。 8月23日には「July Ⅶth [Re:birth]〜10th Anniversary Edition〜」DVDを発売。10月21日からは「10th Anniversary Tour Encounter the Phantoms」スタート。

その他最新情報はオフィシャルサイトを。



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