7月15日より公開された『劇場版ポケットモンスター キミにきめた!』が、大人になったかつての少年少女達の心を鷲掴みにしている。



1998年に公開されたシリーズ最初の映画『ミュウツーの逆襲』から数えること20作品目の劇場版である本作品では、物語の原点に立ち返り主人公・サトシとピカチュウの出会い、そしてマサラタウンからの旅立ちを改めて描き直している。



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世界一のポケモンマスターを夢見る少年が、アクシデントのせいで本来ゲットできるはずだったポケモンをもらい損ねたことから、思わぬ形で冒険の第一歩が踏み出される……。



こうした冒頭のシーンの中だけでも懐かしい小道具や演出が随所に登場し、アニメ第一話をワクワクしながらテレビに齧り付いて視た「ポケモン第一世代」のかつての少年少女達にとっては、あたかも自分自身のアルバムを見返すかのような懐かしさが込み上げてくる映画に仕上がっているのである。



「子供の頃は平気だったのに…」思わず涙も



『ミュウツーの逆襲』

『ミュウツーの逆襲』公開から20年近くたった (C)Nintendo・Creatures・GAME FREAK・TV Tokyo・ShoPro・JR Kikaku (C)Pokemon (C)1998ピカチュウプロジェクト




もちろん、ただ単にアニメ初期の焼き直しという訳ではなく、様々なアレンジや新展開も織り込まれているのだが、ストーリー自体はポケモンを知っている人であればある程度は先が読める内容になっている。



しかしこの作品、「単なるリメイク作品」と決して侮ってはいけない。かつてのアニメの展開を思い出しながら「このポケモンが出てきたから、次はこういう話だな」と予測ができるのに、別れのシーンや感動的なエピソードが出てくると、懐かしいBGMやセリフと共に子供の時に感じた想いがフラッシュバックし、それはもう凄い勢いで大人達の涙腺を崩壊させにかかるのである。



実際、アニメ初期最大の泣かせ所であった第21話「バイバイバタフリー」のリメイクシーンでは、劇場のあちらこちらで大人達のすすり泣きが起き、その連鎖反応でさらに感動の渦が拡大。次々と繰り出される名シーンのラッシュも相まって、「わかっているのに涙をこらえきれない」という状況に陥る観客が続出する。



かつて『ミュウツーの逆襲』公開時、「子供を連れて行った親の方が泣いていた」という話がよく聞かれたが、本作品でも負けず劣らず「子供より泣いている親」が大量発生していた。



目が離せない〝思わぬ発見〟の数々



上述の感動シーンだけではなく、迫力のバトルシーンや随所にちりばめられた小ネタなど見所がもりだくさんの本作。初期オープニングで登場したのとそっくりなシーンや、よくよく見てみるとお馴染みのキャラクターや過去の劇場版作品で見覚えのあるキャラクターが意外な形で再登場していたりと、様々な楽しみ方ができる作品となっている。



現役のポケモンファンはもちろんのこと、しばらくポケモンを遠ざかっていた人にとっても、劇場に足を運ぶ価値が十分にあるはずだ。



(文:小林三笠)



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