「核なき世界」を子どもと考えます。
1歳で被爆した広島市の男性が、松江市の小学校を訪れ、児童たちに原爆の悲惨さや平和の尊さを伝えました。

被爆者 岡本忠さん:
「原爆投下後、家は全部燃えていたので、夜は電車の駅の近くで野宿をした」

今から78年前、原爆投下直後の様子を語ったのは広島市に住む被爆者・岡本忠さん。
7日に松江市の中央小学校を訪れ、9月、修学旅行で広島を訪れる6年生の児童たちに語りかけました。

岡本さんは現在79歳で、1歳5か月の時、爆心地から1・4キロの自宅で被爆しました。
家は倒壊し、岡本さんは、左腕や背中にけがをしました。

被爆者 岡本忠さん:
「傷跡を見られるのが嫌で、長袖を着たり夏でも長袖を着た」

原爆でできた左腕の傷跡は、幼いころからコンプレックスだったといいます。
しかし、70歳になったころから、被爆体験の伝承活動に携わるうち、被爆の実相を物語るこの傷跡を隠さなくなったといいます。

児童:
「自分が知らない原爆の怖さを知ることができて良かった」

被爆者 岡本忠さん:
「当時本当にあったことを知ってもらうことが大事だと思うし、若い人が頑張って核なき世界の実現に向けて努力してほしい」

児童たちは9月下旬、修学旅行で広島市を訪れ、原爆ドームなどを見学するほか、岡本さんから現地で説明を聞き、平和や被爆地ヒロシマの復興について学びを深めるということです。