「ガソリン」わずかに値下がりも… 運送業者は抜本的なコスト見直しで対抗(島根・出雲市)
それでも、依然として高止まりが続くなか、運送業界では、抜本的なコスト見直しに取り組む企業も出てきています。
安部大地記者:
「松江市内のガソリンスタンドです。1リットルあたりのレギュラーガソリンは185円と、これまでより5円値下げしました」
石油情報センターによりますと、今月11日時点での1リットルあたりのレギュラーガソリン平均価格は、島根で185.1円、鳥取で186.2円と、両県ともに前の週より約2円下がりました。
このガソリンスタンドでも、今月11日に、1リットルあたり190円から185円に値下げしました。
ガソリンスタンド利用客:
「下がって欲しい。180円を切って欲しい」
ガソリンの平均価格の値下がりは、島根で9週ぶり、鳥取では15週ぶり。
政府が今月7日から石油の元売り各社に支給している補助金を増やしたことが要因とされ、今後も値下がりが予想されています。
ただ、車両を多く所有する運送会社は、依然として厳しい対応を迫られています。
錦織運送・錦織正社長:
「高止まりの状態で、もともと20円、30円安いところから一気に上がっているので、苦しい状況はずっと続いている」
出雲市の運送会社「錦織運送」では、2022年度1年間の燃料費が、前の年と比べ、約4割増加するなど経営を圧迫しています。
運転手の労働環境改善のため、労働時間の上限を抑えるいわゆる「2024年問題」も迫る中、この会社では、抜本的な「コスト見直し」に着手しています。
錦織運送・錦織正社長:
「空車で走る時間ロスをいかに減らすか、1台あたり年間8000キロ、労働時間にして200時間、コストダウンできる」
この会社は、松江市に取引先が多くありますが、これまで、配送拠点が本社の出雲市にしかなく、集荷のために、出雲から松江まで、空のトラックを余分に走らせる必要がありました。
そこで、9月から、松江市に新たな配送拠点を整備しました。
集荷のための業務時間を短縮することで、年間で約180万円の経費を削減。
高騰する燃料費などを補填するとしています。
錦織運送・錦織正社長:
「いかに内製化して、コストをかけないようなシステムを独自に作って対応できるかが今後の焦点だと思う」
ガソリン価格の高騰など課題が山積する中、企業努力が続いています。