山形県で起きた衝撃的な事件が全国を駆け巡りました。なんと、インフラ会社に勤務する男が、顧客情報を悪用し、女性に対し”ひわいな文言が書かれたハガキ”を送り、性的関係を迫るなどしていたのです。

TUY

しかし、ここで疑問が。

顧客情報と言っても、顔写真まで載っているわけではないはず。では、この男は名前だけで、どのような女性かもわからず”ひわいなハガキ”を送ったのでしょうか。

この謎が、状況取材と裁判の内容から明らかになってきました。

まずは事件の内容と男に出された判決をふり返ります。

■送ったのは、ひわいな葉書や避妊具

会社の顧客情報を悪用して複数の女性にわいせつな内容のハガキなどを送ったとして、脅迫の罪などに問われている男の判決公判が5月9日に開かれ、山形地方裁判所は男に懲役1年10か月、執行猶予3年の有罪判決を言い渡しました。

TUY
 

この男は、20人以上の女性に性的な関係を迫ったと言われています。

多くの女性に恐怖を与えた罪に対するこの判決は、結果、意見が分かれるものとなったように思います。

判決を受けたのは、元・東北電力ネットワーク社員の斎藤良弘(さいとう・よしひろ)被告(54)です。

TUY

■男の許されない行為

判決によりますと、斎藤被告は、会社のパソコンを使って契約者の個人情報を不正に入手し、去年5月から9月までの間に、県内に住む複数の女性に対して自身と性的関係を持つよう要求するハガキ、さらに避妊具を送り脅迫したとされています。

TUY
 

実はこの期間以前にも、男が関わったとみられる複数のハガキがあることが分かっていて、性的関係を迫られた女性は20人以上とみられています。

■「再犯の可能性が高い」と指摘

裁判で斎藤被告は起訴内容を認め、弁護側も事実関係について争わないとしていました。

裁判で検察は、斎藤被告が繰り返しハガキを送っていたことからその常習性を指摘し、「性的欲求を矯正することは容易ではなく、監督する人もおらず再犯の可能性が高い」などとして懲役2年を求刑。

弁護側は、斎藤被告が深く反省し、被害女性に対して謝罪や賠償金の支払いをしていることなどから、執行猶予付きの判決を求めました。

TUY

■被害者は判決理由に納得できるのか

TUY

9日の判決公判で、山形地裁の島田壮一郎裁判官は次のように指摘しました。

「立場を利用した脅迫は2018年ごろから行っていて常習性は明らか。被害者らは恐怖を感じ、生活に支障を来たすなどしており、被害は重い」

しかし・・・

「反省していて被害女性3人と示談が成立している」

「勤務先を退職していて、今後同様の犯行をすることは難しく、更生の時間を設ける」

などとして、懲役1年10か月、執行猶予3年の判決を言い渡しました。

■しかし男は

男は自分の行為を認め、弁護側は罪について事実を争わず・・・

にもかかわらず、判決公判で男は何も口にしませんでした。結局、罪についての反省の弁は聞かれなかったのです。

TUY

■判決をどう思うか

法にてらした判決だとはいえ、この内容は被害者の心情的にいかがなものなのか。ましてや検察は矯正は容易ではないと指摘しているのです。

もちろん判決が厳しければいいというものではありません。が、またも考えさせられる判決となったように思います。

■なぜ、女性にハガキを送ることができたか?

裁判の流れ・判決をみていただいたところで、謎に気づいたでしょうか。

男はインフラ情報を悪用しハガキを送っていましたが、女性をどう選んでいたのでしょうか?当てずっぽうに送ったのでしょうか。・・・どうやらそうではないようです。

男は、裁判でこういう趣旨の発言をしています。「(被害女性が)ひわいな文言を見ているところを想像すると興奮する」

男は女性のことを”想像”しています。

そしてTUYが被害女性について取材を進めると・・・その女性が、男に素性を多少なりとも知られる立場にあったことがわかりました。

つまり、男は女性を知っていたのです。顔が分かる女性の個人情報を使い、好みの女性にひわいなハガキや避妊具を送りつけていたのです。

TUY

■リスクはどこにでもある

男が被害女性の顔と名前を知っていたのなら、答えは簡単です。顧客情報にアクセスし、キーボードを叩けば住所と電話番号まで出てくることは想像に難くないでしょう。

このような状況でハガキや避妊具を送りつけていたことが明らかになると、被害女性が本当に恐ろしい状況におかれていたことがわかります。

インフラ関係企業にはほぼ全世帯の情報が集まっていることを考えれば、日本全国の誰もが同じような事件に巻き込まれるリスクがあることになります。

今回の「ひわいなハガキ」事件は、インフラ関係企業が「いかに個人情報を管理すべきか」という大きな課題を突き付けた事件でもあったのです。

TUY