
名古屋市守山区にあるアサヒビール名古屋工場
残暑の続く日本列島。キンキンに冷えたビールが出てくれば、グビグビと何杯でもいきたいという人は少なくないでしょう。そんな需要に応えるため、ビール工場は巨大な設備で日々、大量の商品を生産しています。しかし、ビール通をうならせるには繊細なこだわりも。その工程を覗いてみました。
ビル5階建て相当の「巨大タンク」 麦汁が400キロリットル貯蔵

麦汁を貯める巨大タンク
名古屋市守山区のアサヒビール名古屋工場の敷地は、バンテリンドームナゴヤ4個分の面積です。その広大な工場の一画には、巨大なタンクがズラリ! まるで大きなビール缶みたいです。中には何が入っているのでしょう?
タンクの中身はビールの元となる麦汁。ビル5階建て相当のタンクに、およそ400キロリットルを貯蔵しています。350ミリリットル缶だと、およそ114万本分! 毎日1缶飲んでも、タンクを飲み干すのに3000年以上かかります。そのタンクが、なんと42本もあるのです。
「秘密の扉」の奥では重要な工程が

タンクの底では、麦汁に酵母が添加される
このタンク、ただ麦汁を貯めておくだけではありません。ビール造りに欠かせない、重要な工程を担っていました。この工場の創立50周年を記念して、特別に取材が認められた「秘密の扉」の奥に入ってみましょう。
扉の先はタンクの真下、底です。何か出っ張っていて、その先に管のようなものがあります。下の管からは麦汁、その横からは「酵母」が添加されているのです。酵母は、麦汁に含まれる糖分をアルコールと炭酸ガスに分解する役割があります。そして、この酵母にこそビールの味の秘密が隠されているのです。
「若ビール」から酵母を取り除いて完成品に

まだ酵母の残る「若ビール」
この工場の主力商品「アサヒスーパードライ」に使われるのは「318酵母」。普通の酵母と比べてアルコールと炭酸ガスを作る能力が高いため、スーパードライ特有のスッキリとしたキレの良さを生み出します。
タンクの中で7日間じっくり発酵させたら、少し濁った液体となります。通称「若ビール」。濁って見えるのはまだ酵母がいるから。このままでは出荷した後も発酵が進み、味が変わってしまいます。

酵母を取り除いて完成品に
そこで、ろ過機を通して酵母を取り除きます。タンクの上部にあるフィルターを通し、ろ過されると、一点の曇りもないほどクリアになります。
こうやってビールが完成していくんですね。