【虐待】園側が静岡県と裾野市に報告書提出 原因検証・再発防止策の取り組みなどは6月末めどに県に最終報告へ
2022年、静岡・裾野市の「さくら保育園」で発覚した園児虐待事件をめぐり、園を運営する法人に出されていた「改善勧告」に対し、園側は9日、県と市に報告書を提出した。

2022年、静岡・裾野市の「さくら保育園」で発覚した園児虐待事件をめぐり、園を運営する法人に出されていた「改善勧告」に対し、園側は9日、県と市に報告書を提出した。再発防止の取り組みはどこまで進んでいるのか。

報告書の提出期限となった9日。「さくら保育園」の酒井和夫園長が県に報告書を提出した。「さくら保育園」の虐待事件を巡っては2022年12月、元保育士3人が園児に暴行したとして逮捕され、その後、処分保留で釈放されている。

(坂井 太一 記者)

「午前10時です、県と市の職員が特別監査のためさくら保育園に入ります」

この事件について、これまで県と裾野市は特別監査を行い、元保育士の3人は園児の頭をバインダーで叩くなどの「身体的虐待」やトイレに閉じ込めるなどの「心理的虐待」、必要もなくズボンを下ろすなどの「不適切な保育」といった法令に抵触する事実があったとして、運営する法人に「改善勧告」を出していた。改善勧告では「原因の検証」や「再発防止への取り組」、「保護者との信頼関係を図るための措置」について、9日までに報告するように求めていた。そして9日、県に報告されたことは…。

(さくら保育園 酒井 和夫 園長兼理事長)

「主に第三者調査委員会に委託していて、本件の全貌解明と原因の追究と、責任の所在という所を委託しています、もう一つは、改革委員を設置しまして、今後の再発防止策というものをメインに取り組んでいく事を報告させていただきました」

弁護士らで構成する「第三者調査委員会」と再発防止策に取り組む「改革委員会」を設置したことを報告。また、すでに、さくら保育園では外部講師を招き職員研修を行ったことや、園児や保護者などに安心してもらうため、園内に防犯カメラ16台を設置したという。一方、改善勧告で求められていた「原因の検証」や「再発防止策の取り組み」などは、最終報告として6月末をめどにまとめたいと話した。

(桜愛会 湯山 英毅 常務理事)

「40年間培ってきたさくら保育園の信頼を戻すためには、やはり2年3年が必要ではないか、地域の方も含めて未来へ向かって頑張っていこうと思っています」

さらに、午後4時すぎ、裾野市に対しても改善報告書を提出。一連の事件を巡っては「不適切な行為を口外しないよう職員に誓約書の提出を求めた」と園側の“隠ぺい疑惑も浮上”していたが、園は“隠ぺい”を否定した上で「今後、調査委員会の中で検証していく、その結果を踏まえ再発防止に取り組んでいく」と説明した。