【不適切保育】国が全国調査の結果を発表 園や自治体がとるべき対応などガイドライン作成 静岡・裾野市での事件をきっかけに
2022年12月、静岡・裾野市の保育園で元保育士3人が園児の足をつかんで宙づりにしたなどの事件が発覚し、元保育士の女性1人が暴行の罪で略式起訴された。この事件をきっかけに、国は初めて全国の自治体に調査を実施し、先週、その結果を公表した。

全国で相次ぐ「不適切保育」は静岡県内でも…。2022年12月、裾野市の保育園で元保育士3人が園児の足をつかんで宙づりにしたなどの事件が発覚した。この事件をきっかけに、国は初めて全国の自治体に調査を実施し、先週、その結果を公表した。

調査結果では、園児に対する脅迫的な言葉がけや、罰を与える行為などの「不適切な保育」が、2022年4月から12月の間に全国で914件確認され、そのうち90件が「虐待」と確認されたと発表した。静岡県内での「不適切な保育」は50件、「虐待」は19件確認されている。

こうした事態を受け政府は、「不適切な保育」があった場合に保育園や自治体がとるべき対応などをまとめたガイドラインを作成。これまで曖昧だった「不適切な保育」の意味を「虐待などと疑われる事案」と整理し、自治体に対し日常的な相談・支援体制などを整えるよう促した。この発表をうけ、子どもの安全管理について詳しい常葉大学の木宮敬信教授は「具体的な対策へ向けた第一歩」と話す。

(子どもの安全管理に詳しい 常葉大学 木宮 敬信 教授)

「定義があいまいで自治体により報告にばらつきがある」「虐待や不適切保育とはどういうものか、具体的な事例が出て対策が示される」

また、保護者側も何が不適切保育なのか基準を理解する必要があると言う。

(子どもの安全管理に詳しい 常葉大学 木宮 敬信 教授)

「虐待の恐れがある不適切、保育としてベストではない不適切は分けて考える必要がある」「保護者からも気づいたことがあれば、小さな発見でもすぐに園側に伝えることが大切」「行政の窓口を使うことも可能」「大きな虐待につながる前に、多くの人が気づくことが大事」