【熱海土石流】ライフライン復旧工事始まるも…被災者は市に不信感 9月に警戒区域解除へ 静岡・熱海市
静岡・熱海市の土石流災害をうけ、原則、立ち入りが禁止されている伊豆山地区の警戒区域が9月に解除されるのを前に、9日からライフラインの復旧工事が始まった。しかし、住民は不信感を抱いている。

静岡・熱海市の土石流災害をうけ、原則、立ち入りが禁止されている伊豆山地区の警戒区域が9月に解除されるのを前に、9日からライフラインの復旧工事が始まった。しかし、住民は不信感を抱いている。

熱海市伊豆山の岸谷地区を中心に指定されている「警戒区域」は、砂防ダムが完成し、崩れ残った盛り土の土砂が撤去される見通しであることから、9月1日に解除される予定だ。解除を前に9日から始まったライフラインの復旧工事。作業員らが警戒区域内の約150メートルの区間にある、泥が詰まった水道管とガス管を新しいものと取り換えた。

(熱海市危機管理課 小林 敦 課長)

「少しでも多くの建物にライフラインが繋がるように関係機関と連携してすすめていく」

しかし、警戒区域の解除に向けた動きが進む中、被災者は熱海市の対応に不信感を抱いている。熱海市によると今も132世帯、227人が避難生活を強いられているが、9月1日にふるさとに戻れるのは、ライフラインが復旧する予定の32棟の住民のみ。さらに、工事を始める前に「市の担当者から何も説明がなかった」という。

(被災者 太田かおりさん)

「みんな帰りたいと思っている、ほんの少し先に光が見えるだけでがんばろうという気持ちになれるのに、なんで教えてくれないのか」

小松こづ江さんは自宅が無事だったため9月1日に伊豆山に戻ることができるが、今も悩んでいるという。

(被災者 小松こづ江さん)

「(帰るかどうか)まだ悩んでます、子どもとも話したが母屋は壊れていないので帰りたいと思っている。私が生まれた家だから」「(復旧が進むのは)確かにうれしいが、自分が帰るべきかどうかを悩んでいるので微妙」

熱海市は、ライフラインの復旧工事を6月末までに完了させる予定だが、被災者に寄り添った対応が求められる。