7月15日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、シリーズ航空会社「飛べ!ウミガメ〜ANAハワイ定期便復活の舞台裏〜」。
さまざまな思いで復活の時を迎えるパイロットと、定期便の準備を進める社員たちの奮闘を追った。

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ハワイ定期便の復活...円安でどうなる?


今年4月29日、「ANA」井上慎一社長は、報道陣を前にし、

「7月からは超大型旅客機A380『フライングホヌ』を飛ばします。フライングホヌが皆様をホノルルにご案内します」

と発表した。"空飛ぶウミガメ"フライングホヌの座席数は520。日本では、「ANA」だけが持つ世界最大の旅客機だ。

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「ANA」は約3年前、ハワイ便の切り札としてA380を投入したが、そのわずか10ヵ月後、コロナ禍で運航休止に。製造したフランスから日本に向かう大事な初フライトを任されたのが、古川理機長(58)だった。

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古川さんは32年前、「ANA」にパイロット訓練生として入社。副操縦士、機長とキャリアを重ね、A380の導入が決まり、機長に抜てきされた。日本におけるA380のエースパイロットで、第一人者だ。

運行中止となり、自宅待機を強いられた古川さんが思い出すのは、3月の運休の最終便に乗務した時のことだ。

「フライングホヌにお客様が9名でした。そういう状況に一気に落ちました」。

乗客が激減した「ANAホールディングス」は、過去最大の赤字を出した2021年3月期に続き、2022年3月期の連結最終損益が1450億円の赤字になった。

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「(飛行機が)仮に何年間も飛ばなければ、当然会社も厳しい状況になるし、そうしたら僕は、いったいどんな仕事をするんだろうということを真剣に考えたこともありました」。

思い悩んだ古川さんは、「今、自分たちにできることをしよう」と、航空科学博物館(千葉・芝山町)で航空教室を開催。飛行機ファンや子どもたちが集まった教室では、一つひとつの質問に丁寧に答え、ピンチをチャンスに変えるべく、この仕事の魅力を伝えていた。

この日、フライングホヌ3機が一堂に会するイベントが開かれた。参加者は300人以上で、ホヌの機内食が食べられる「レストラン・フライングホヌ」を開催。機内食はプレミアムエコノミークラスのメニューで、参加費は1万7800円。家族みんなで旅行気分を味わうことができる。

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古川さんのチームの一人、パイロットの迎圭一さんが握るのは、操縦桿ではなくマイク。お客を前に、機内の説明を担当する。
ハワイ便再開まで、できることに取り組むパイロットたち。さらに迎さんは、A380の運休中、国内線のフライトも行っていた。実はこれ、世界初となる異例の取り組み。
古川さんたちA380のパイロット9人は、全員A320のライセンスも持っているが、同時期に2つの機種を操縦することは国から認められていなかった。
そこで古川さんたちは、2つの機種の共通性や安全性などの証明に力を尽くし、その結果が国に認められ、A380と320を同時に乗る事ができるようになった。

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そしていよいよ、フライングホヌの復活が決まった。フライトを任された古川さんと迎さんは、羽田空港の近くにある「ANA」の訓練施設へ。A380専用のフライトシミュレーターで、悪天候での離着陸などを想定し、難しい操縦を何度も繰り返す。
ホヌの復活まであと1週間だが、果たして......。日本に一台しかない最新鋭のシミュレーター内部に、「ガイア」のテレビカメラが初潜入した。



日本人がいないハワイの今


復活の日に向けて動いていたのはパイロットだけではない。コロナ禍での海外旅行への不安や円安による代金の高騰が壁となって立ちはだかる中、ハワイ路線の運航計画を担当する「ANA」レベニューマネジメント部の菅野翔さん(39)も、フライングホヌ再開にこだわっていた。

「A380を飛ばした時は、私たちにとってもお客様にとってもいい時代だった。気軽に海外旅行にも行けた。A380が飛ぶということは、その時代に戻っていける...その分、失敗できない」。

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しかし、フライングホヌのチケット発売から2週間。7月の予約状況は厳しく、座席の半分以上を占めるエコノミークラスは平均で21%しか売れていない。そこで菅野さんは、「ANAエックス」旅行商品部の百﨑鉄平さん(41歳)に相談を持ちかける。百﨑さんは、ハワイの旅を企画するプロ中のプロだ。

「実際に現地に行ってから不安なことが、ご家族連れ含めて多々あると思う。安心にご旅行いただける環境を目指していくべきかなと」。

6月、百﨑さんはハワイ・ホノルルへ視察に。ハワイ支店のスタッフと合流し、市内を走る観光バス会社へ向かう。会社の車庫の奥にあったのは、フライングホヌと同じウミガメが描かれたラッピングバスだ。

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このバスも、ホヌが休止した2020年3月から運休していたが、百﨑さんは"ホヌ復活の象徴"として再び走らせたいと考えていた。7月からこのラッピングバスは、ショッピングセンターを結ぶ路線で運行を再開。

百﨑さんにとっても、コロナ後、初めてのハワイ。その目に飛び込んできたのは、観光客でにぎわう街だった。マスクを着けている人はいない。「丸亀製麺 ワイキキ店」も、コロナ禍をものともせず、過去最高の売り上げを記録しているという。だが、街に日本人の姿はない。

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日本人に今のハワイの魅力をどう伝えるのか。百﨑さんが向かったのは、ワイキキから車で40分のところにある、オアフ島北部のノースショア。広さ約16ヘクタールの「ノースショアステーブルズ」は1年前にオープンしたばかりで、日本人にはまだ知られていない牧場だ。ここではハワイの雄大な景色を満喫する乗馬体験や、ハワイの自然然環境について学ぶことができ、百﨑さんはこの場所をツアーに組み込むことを計画していた。

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一方、オーシャンビューが自慢の日本人に人気のホテル。百﨑さんは早速、価格交渉に臨むが、ここで想定外の事態が待ち受けていた――。

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