11月11日(金)に放送した「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、テレ東経済WEEK30分拡大SP「ガイアを守る人たち〜環境ビジネス最前線〜」。
「ガイア」は、この20年、地球環境を守るために奮闘する人々を取材してきた。世界が新たな岐路に立たされているいま、日本のチカラで地球環境に貢献しようと奮闘する人たちの最前線を追った。

勃発!ペットボトル争奪戦 価格は半年で8割急騰?

神奈川・横須賀市では、週に1度、使用済みのペットボトルが回収されている。回収車で運び込まれたのは市のリサイクル施設。市内で回収された全てのペットボトルがここに集まる。その数、年間約1500トン。選別作業を覗いてみると、中にはペットボトル以外に危険なものやリサイクルできないものも混入している。


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自治体で回収したペットボトルは、年2回の入札で価格が決まる。当然、きれいな方が価値は上。2021年度は、約3000万円が横須賀市の収入になった。横須賀市の担当者は「入札が高ければ自治体に戻ってくるお金も多い。頑張って分別し、それが市民に還元されれば、市民の生活が良くなっていく」と話す。

さらに、横須賀市の施設から運び出されたペットボトルを追跡すると、着いたのは茨城県にある「遠東石塚グリーンペット」。日本で回収される廃棄ペットボトルの20%をこの会社が引き受けているという。

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回収したペットボトルを処理して出来上がったのが、再生ボトルの原料・レジン。石油由来の原料から新たに作るより、CO2(二酸化炭素)の排出を約60%削減できるという。こうした「ボトルからボトルへ」再生できる技術をもつ企業は、この会社を含めて国内に数社しかない。

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しかし、課題もある。再生の工程で、ペットボトルにリサイクルできない「残渣(ざんさ)」が約25%出てしまうことだ。しかし、残渣を含むペットボトルもリサイクルできる、画期的な技術が誕生していた。

一方、ペットボトルのリサイクルに、ある異変が起きていた。回収されたペットボトルの落札価格が、この半年で8割も高騰したのだ。背景にあるのは大手飲料メーカーの動き。2030年までにペットボトルをすべて再生されたものや植物由来のものにすると宣言。これまで、ペットボトルにリサイクルができる企業は限られていたが、新規参入が増え、いま廃棄ペットボトルの争奪戦が起きていた。

世界で唯一!?汚れたペットボトルも100%再生...独自技術の環境ベンチャー

「横浜マラソン2022」が3年ぶりに開催された。参加した約2万2000人のランナーが消費する水やスポーツ飲料は2リットルペットボトル約4万3000本分。それらを回収し、再びペットボトルに生まれ変わらせるエコな取り組みが始まった。タッグを組むのは、世界で唯一というリサイクル技術を持つ会社「JEPLAN」(旧:日本環境設計)。

「ガイア」は13年前、古着からバイオエタノールを生み出す世界初の実験に挑戦する、髙尾正樹さん(※当時29歳。現在は「JEPLAN」社長)を取材。当時社員はわずか3人だった会社が、今では従業員数180人にまで大きくなっていた。

現在は「ペットボトルを再びボトルの原料に戻す」事業を展開しているが、その方法は他社とは大きく異なる。「廃棄されたペットボトルの中には不純物がたくさん含まれているが、分子レベルに分解することで、不純物を全部外に出せる」と髙尾さんは話す。

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一方、ペットボトル争奪戦の中で注目されているのが、街中の自動販売機の横にあるリサイクルボックスだ。これらは飲料メーカーがペットボトルを回収するために設置しているもの。実は、日本の使用済みペットボトルの6分の1が、この自動販売機横のボックスから回収されているという。

しかし、ゴミ箱と勘違いされてしまっているのか、一般のゴミやタバコの吸い殻が詰まったペットボトルなども捨てられている。「ペットボトルにたばこの吸い殻、こういうのは、リサイクルできないですよね。せっかくリサイクルボックスに入れてもらっても、リサイクルできなくなる」と回収業社の担当者は話す。

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そのため、これまで自動販売機横から回収したペットボトルは、再びペットボトルにリサイクルされることなく、ほとんどがプラスチック製品に加工するか、焼却処分されてきたという。

そんな中「JEPLAN」では、その解決策として注目される新たな取り組みが始まっていた......。

動き出した「排出権取引」 世界を駆ける空気の商人

いま世界が取り組む温暖化対策。日本も2050年までに温室効果ガスの排出を実質ゼロにする、脱炭素を掲げている。経済活動を続けながら環境を守る切り札として注目されているのが「排出権」の取引。国内や海外でCO2を吸収する森林保護や植林に取り組むと、CO2を削減できた量に応じて排出権が生まれる。この排出権を国や企業が買い取れば、自分たちが削減したものとしてカウントされるのだ。

「三井物産」カーボンソリューション室の須田健介さんは、脱炭素の切り札となる「排出権取引」の最前線に身を置いている。

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2004年に放送した「空気の商人たち」。「ガイア」はこの頃から、環境ビジネスを伝えてきた。

南米チリ。日本企業と現地企業の間で、排出権の取引が成立しようとしていた。
当時、一企業としては最大、12億円相当の取引。この契約をまとめたのが「三井物産」だった。

排出権を生み出そうと目をつけたのが、養豚場。チリの食肉加工会社で飼われる60万頭の豚のし尿から大量の温室効果ガス・メタンが放出されるのだ。メタンは温暖化への悪影響が強く、CO2の21倍。「三井物産」は、それを集めて分解することで、排出権を生み出した。

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あれから18年を経て、今回の舞台は乾燥した大地が広がるオーストラリア。ここ数年、大規模な森林火災や洪水が相次ぎ、気候変動への対策が喫緊の課題となっている。今年6月に「三井物産」はオーストラリアの排出権事業者「クライメー・フレンドリー」に出資。オーストラリアにおける排出権ビジネスに参入した。

6月下旬、「三井物産」の須田さんが排出権創出の現場視察のためにオーストラリアへ向かう。到着してみると、待ち受けていたのは大量の牛。しかし、ここに排出権を生み出すヒントがあった...。

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カンボジアの森林がビッグビジネスに? 現地人も感謝するワケ

東南アジアのカンボジア。いま急速な発展を遂げる一方で、森林減少が問題になっている。その原因の一つが違法伐採。木を切り、生活の糧にする人が後を絶たないのだ。
「三井物産」は2018年からカンボジアで森林保護活動を支援している。カンボジア政府、NGOと組んで森林の違法伐採を防ぐ取り組みに出資。ここでは、森林の減少を食い止めた分が排出権として認められる。

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9月にカンボジアを訪れた須田さんは、違法伐採の取り締まりを行っている場所へ向かう。プノンペンから車で8時間、北東部プレイロングにある森林保護区。43万ヘクタールを有する貴重な動植物の宝庫だ。そこで、レンジャーと呼ばれる森の監視員が24時間体制で違法伐採を見張っている。このパトロールを管轄するのはストゥントレン州の環境局。訪れてみるとパトロールで押収されたチェーンソーなどが山積みになっていた。
森の木は手軽にカネになるため、組織的に切り出されることもあるという。違法伐採を止めるため、プロジェクトが始めたのが農業指導。須田さんが近隣にあるドーン村を訪れると、村人たちが集まり、口々に感謝を述べる。その理由とは......。

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