11月18日に(金)に放送した「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、「密着!成城石井 新たなる挑戦〜独占取材 激動経済の舞台裏〜」。
今や200店舗を展開する人気のスーパー「成城石井」の舞台裏を独占取材。
「成城石井」の代名詞といえば、チーズやワインなどの輸入品。しかし急激な円安や輸送費高騰などで大逆風が吹いていた。勝負をかけて敏腕バイヤーが向かったのは、オーストラリア。3年ぶりの海外で見つけた今までにない逸品を日本へ。
一方、「成城石井」は、いま改めて"国内のいいもの"にも注目。スイーツや総菜を独自に開発する動きも加速していた。激動する世界経済をどう生き抜くか...。「成城石井」の知られざる新戦略に迫る。

コロナ禍、ウクライナ情勢、円安...大逆風の中、"未知の大陸" オーストラリアに活路あり!


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「成城石井」が誕生したのは95年前。1号店は、高級住宅地・成城にある小さな食料品店だった。1976年にスーパーとして営業開始。その後は輸入品を中心に、高品質な品ぞろえで人気を博す。
コロナ禍でも好調で、年商は1000億円を突破。ここ10年間で約2倍に伸ばし、いまや東証に上場を申請するまでに成長した。

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6月下旬。東京・杉並区にある「成城石井 浜田山店」。この日、店舗を視察していたのは、商品部 部長の濱田智之さん。濱田さんは30人いるバイヤーのトップで、「売り場は正直。数字だけでは見えない部分がある」と話す。

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そんな中、売り場ではある異変が起きていた。かつてない値上がり...。輸入品が多いだけに、円安が直撃していたのだ。中には、ここ数カ月で数百円高くなったものも。

さらにワイン売り場では、大きな問題が持ち上がっていた。毎年11月に解禁されるフランスのワイン「ボージョレ・ヌーボー」。「ヌーボー」とは、その年にとれたブドウで作る新酒のこと。フランスのボージョレ地区で作られた新酒という意味だ。しかし今年は円安や輸送費の高騰で、価格が最大2倍になると見込まれていた。ボージョレ・ヌーボーの時期は、「成城石井」にとって指折りの稼ぎ時。毎年、大々的なフェアを開いてきた。「大ピンチですね」と濱田さん。

神奈川・横浜にある「成城石井」の本社。役員が集まる会議にカメラが入った。議題は「今年のボージョレ・ヌーボーをどうするのか?」。

深刻な表情を浮かべる原昭彦社長に、濵田さんが温めていたアイデアをぶつける。オーストラリアで新たにヌーボーを開発し、勝負に出ようという提案だ。
しかし役員たちは、「ヌーボーのイメージはフランスに寄っている。いきなりオーストラリアでやってお客さんに認知してもらおうと思ったら、結構力がいる」と反論。

「ワインだけじゃなく、他のものも買い付けできるんじゃないか。日本と季節が逆というところで、新しい旬の提案みたいなところに絡められるんじゃないか」と、濱田さんは食い下がる。

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原社長は、「メリットあるんじゃないですか、うまくやれば。新しい目線で、こういう状況だからこそ考えるんだと思う。流れを変えていこうよ」とGOを出した。

トップバイヤーとして「成城石井」の品ぞろえに全責任を負う濱田さんは、新卒で入社した生え抜きの社員。その濱田さんをバイヤーの責任者に抜擢したのは、他ならぬ原社長だった。その信頼は厚く、原社長は「濱田さんの席は隣。気になることがあればすぐに相談する。新しいものを生み出すのに苦戦していると思うが、期待している」と話す。


9月上旬、春を迎えたオーストラリア。コロナ禍もあって、濱田さんたちにとっては、約3年ぶりの海外だ。「オーストラリアに買い付けにくるという機会はなかった。新しい原料が眠っているんじゃないかと楽しみです」。

滞在は5日間で、まずは北部の街・ケアンズの郊外へ。そこには、サッカーコート350面ほどの広大なメロン畑が広がっていた。この農場紹介してくれたのは、地元の州政府。農場を経営する「デインツリー・フレッシュ」ショーン・ジャクソンさんは有名な学者で、農業のスペシャリストでもある。
ショーンさんが作っているのが日本ではあまり見かけない種類のメロン。早速その"オレンジシュガーメロン"を試食した濱田さんは「すごく甘みが強いですね」と興味を持つ。

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日本とは季節が逆のオーストラリアで、オレンジシュガーメロンは、12月にかけて旬を迎える。なんと1個1個、手で摘んで収穫しているというから驚きだ。

ますますこのメロンを仕入れたくなった濱田さんは、すぐに交渉を開始。ショーンさんは「素晴らしい!」と握手を交わし、日本への出荷を約束してくれた。

翌日。南部の都市・メルボルン。久々に海外の食品展示会に参加するのも、今回の大きな目的だ。広い国土を持つオーストラリアは農業大国。野菜や果物をはじめ乳製品、加工品に至るまで、豊富な食料品が揃う。濱田さんは、わずか1日半で30社以上と交渉した。

今回の出張の移動距離は、なんと地球半周分。最終日は、プロペラ機で一番の目的地、オーストラリア南部にある小さな町・グリフィスに向かう。
出迎えてくれたのは、ワイナリーの経営者、ジョン・クアリサさん。商品の取引はあったが、会うのは初めてだ。

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移動の途中で見えたのは、大きなワインボトルのオブジェ「ジョニーQ」。ジョン・クアリサ、略して「ジョニーQ」、彼のブランド名だ。

ジョニーさんとボージョレに代わるヌーボー=新酒を開発しようと、メールでやり取りしてきた濱田さんは、ブドウ畑を視察する。同行する酒担当バイヤー・若林遼さんも興味津々だ。
気になるのは木の状態。年数が高い木の方が濃いブドウがとれるという。フランスでは20年で植え替えるそうだが、ここは50年も経っていた。

いよいよワイナリーへ。コンテストでも高い評価を受けているオーストラリアのワイン。ジョニーさんは、年間約14万本を出荷している。早速、今年収穫したブドウで造ったヌーボーを用意してくれた。

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出てきたのは、畑が違うピノ・ノワール(フランス・ブルゴーニュの代表的品種)2種とオーストラリアワインの代表格「シラーズ」。濱田さんと若林さんは、それぞれの味を確かめた後、3種をブレンドさせたものを試飲した。一体、どんな味なのか?

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最後にブレンドした「シラーズ」は、まろやかな渋みが特徴で、オーストラリアらしさが十分に出たヌーボーになった。ソムリエの資格を持つ若林さんも太鼓判。濱田さんも「ボージョレ・ヌーボーに代わるというよりも新しいヌーボー。自信持って売れるね。楽しみです」と手応えをつかんだ。

帰国して5日後。濱田さんには大仕事が待っていた。会議の席で用意したのは、あのワインとメロン。原社長から「OK」をもらわなければならない。バイヤー経験が長い原社長、評価はいつも辛口だが、果たしてその反応は......。

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自社キッチンで生み出す "ニッポンの絶品スイーツ"!


「成城石井」の武器の一つが、自前のセントラルキッチン。人気の総菜やスイーツを職人たちが手作りし、全国の店舗へ届けている。今年の夏には新たな施設「第3セントラルキッチン」も稼働し、生産能力が2倍に高まった。さらに新しい機器なども導入したことで"新商品"の開発にも力を入れる。

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このセントラルキッチンで、今秋に向けて進んでいたプロジェクトが「珠玉のスイーツ作り」。コロナや円安の影響もあり、「成城石井」は今一度、国内のいいものを発掘することに力を入れている。そんな中、注目したのが秋の味覚だ。

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「成城石井」スイーツ部門責任者 光野正三さんは、年間100万本以上売り上げる大ヒット商品「プレミアムチーズケーキ」の生みの親。
そんなヒットメーカー・光野さんの元に、濱田さんからメールが届く。濱田さんが見つけたのは、生産量日本一の茨城の栗。「国産栗の良さが最大限に伝わるスイーツを作って欲しい」という依頼だ。

「探してきた人、生産者の生の栗以上のものにして仕立て上げなくてはならないので、責任を感じる」と光野さん。

早速試作に取り掛かる光野さん。国産栗のペーストにクリームを合わせ、抹茶パウダーを投入。「(栗と)抹茶やほうじ茶は相性がいい」と、和テイストのケーキにしようという作戦だ。

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仕上げにモンブランクリームを絞って完成! 同僚に試食してもらうが・・・

「抹茶の比率が高い」「栗のケーキじゃない」

国産の栗は外国産と比べて味が繊細で、その風味が抹茶に負けてしまったのが原因。光野さん、今度は生クリームだけにし、スポンジケーキもノーマルなものに変更。一方、茨城の栗のクリームはたっぷりと絞り、シンプルに勝負に出た。

この日は月に1度の試食会で、国産栗のスイーツを原社長に試食してもらうことに。しかし......

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「季節感もすごくある。いい商品ではあるんですけれども、少し単調で深みのないところがあるので、もう少し工夫ができるんじゃないかな」

と原社長。ヒットメーカー・光野さん、次の一手をどうするのか......。

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