毎回高視聴率をたたき出す「自給自足ファミリー」シリーズが、今回初めて「夏」の取材に挑戦!! 北海道の広大な大地で動物たちと暮らす子どもたち、古民家で30種類以上の野菜を作る20代カップルなど、魅力的な面白家族に密着。彼らの仰天生活とは?
「テレ東プラス」では、番組の中から「どうぶつと子どもが大活躍!北の大地の自給自足一家〜北海道・旭川市〜」の内容を紹介します。
【動画】小さな里山集落に移住した26歳のカップル、彼らが目指す理想の自給自足生活とは?
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北海道旭川市の郊外にある小高い山の中で、自給自足の暮らしをしている家族がいます。
一家の大黒柱・洋介さん(42)と妻の真実さん(36)、長女の穂乃実さん(10)、長男の慧醒くん(3)の4人で暮らす録澤家。自然や動物と調和し、循環型の生活を目指しています。

家の敷地は、なんと東京ドームと同じくらいの広さ!
犬やヤギ、鶏などを飼育しており、ヤギのミルクが出る春から夏にかけては、2〜3日に一度乳搾りを行います。搾りたてのミルクは、そのまま飲むだけではなく、発酵させてヨーグルトに。それを毎朝いただけるとは、最高の贅沢!

廃材を使って建てた鶏小屋では、ニワトリを約200羽飼育し、卵を自給。餌は畑で刈り取った雑草、サンゴ化石や利尻昆布を混ぜて作った発酵飼料で、かなり手間ひまをかけていますが、洋介さんは、「健康なニワトリから産まれる卵は、絶対に体にいいので。いい餌を食べさせれば、自分たちに返ってくる」と話します。動物からの恩恵は、卵やミルク以外にも。糞が天然の堆肥になるので、農薬や化学肥料を使わず、畑で野菜を育てることができるのです。

今日のランチは、とれたて野菜を使ったピザ。生地はもちろんマヨネーズも、自給した卵で作る自家製。それらをトッピングし、庭の窯で焼き上げれば、夏野菜ピザの完成です!

大雪山の絶景を目の前に、家族全員で食べる昼食。みんなの笑顔が最高のご馳走!

こちらは、洋介さんたちが6年かけて建てた家で、一際目を引くのが、形も大きさもバラバラの窓。洋介さんがガラス屋さんや解体する家を回って集めたもので、手作りだからこそ、自由な規格で窓をたくさん付けることができます。天井が高く、日当たりが良いのも魅力!
家まで自力で建ててしまった洋介さんですが、そもそもなぜ、自給自足の道を選んだのでしょうか。

大阪府の田舎町で育った洋介さんは、子どもの頃から動物に囲まれて暮らしていました。
小学3年生で「動物とともに生きる」と決意。大学時代は生物の多様性や生態系を学び、海外で野生動物の保護活動にも従事。その中で、「人間がいない方が、自然はうまく循環できる」という思いに至ったそう。
自分自身が人間であるにも関わらず、“人間”を受け入れることができなかった洋介さん。
どう生きようかと模索し、大学卒業後は世界の自然を見て回る旅へ。次なる旅への資金作りで酪農の仕事をしている時、妻・真実さんと出会いました。
動物好きということで意気投合し、一緒に旅をすることに。ネパールで山岳民族の家にホームステイした時、2人に人生の転機が訪れます。
枝や薪を使って煮炊きし、残った灰で鍋を洗う山岳民族の人々。目の当たりにしたのは、自然をうまく循環させる自給自足の生活でした。
現金収入がなくても豊かに暮らす人々に衝撃を受けた2人は、自分たちもチャレンジしようと10年前に土地を購入。自給自足に励み、子宝にも恵まれました。
しかし、当初は問題が山積み! 水道が通っていないため、水を確保するだけでもひと苦労だったそう。

この立派な井戸は、洋介さんが機械を借りて自分で掘ったもの。周囲からは「100m以上掘らないと水は出ない」と言われていましたが、なんと8mで水脈に当たったそう。運がいい!冬は畑が雪で閉ざされる北海道。秋までに作った野菜は、手作りの"室"に貯蔵します。中はひんやりしているため、まさに天然の冷蔵庫。去年とれた大根や乾燥大豆など、たくさんの食料が保管されています。

手作りが基本の録澤家には、保存食もたくさん。カエデの木から樹液を集めて作ったメープルシロップや、10年ものの自家製味噌も。味噌の表面には、たまり醤油ができていました。

この日、牧場から新しい家族としてお迎えしたのは、生後2カ月の子ブタ2匹。ヤギの放牧場の一部で飼育します。子ブタたちには、大事なお役目がありました。
ヤギが食べないのをいいことに、山の一帯にハンゴンソウという草が大繁殖。そこで、ブタが土を掘り返す習性を利用し、土質を改良しようという作戦です。
子ブタを迎えて1カ月、ビフォーアフターを比べてみると…

一目瞭然! 動物は、すごいパワーを秘めています。
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畑で苺を収穫している穂乃実さんを発見。慣れた手つきで、食べ頃の苺を摘んでいきます。慧醒くんもお手伝いかと思いきや……

可愛らしくつまみ食い(笑)。穂乃実さんは、とれたての苺でジャムを作ります。それだけでなく、ブタの餌にする野菜をカットしたり、ヤギを世話したり、小さい慧醒くんの面倒をみたりと大活躍! 真実さんが「穂乃ちゃんがいるから回っているようなもの」というほど働き者ですが、なぜここまで頑張ることができるのでしょうか。
「手伝うことによって、家族みんなでゆったりする時間ができる。みんなでゆっくり過ごした方が楽しいから」と穂乃実ちゃん。立派ですね!
子どもたちの将来について聞くと、洋介さんは、「いつか今のような暮らしに戻ってきてくれたらいい。どんな仕事をするにしても、自然と共に生活してほしい」と話してくれました。
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動物と共同生活を送る録澤家には、2週間に1度の行事があります。それは、大事に育てたニワトリをしめる作業。環境を循環させるため、年間100羽ほどしめるそう。

しめる時は全員で見守るのが録澤家のルール。人も鶏も自然のサイクルの一部…子どもたちにもそれがしっかり伝わっています。

夕食の主役は、しめたばかりの鶏の内臓を使った「もつ煮」。鶏をしめた日しか作らない、特別なメニューです。畑でとれた野菜も大活躍。ミニトマトはスクランブルエッグに、オカノリはオクラなどと合わせ、自家製醤油をかけてネバネバサラダにしました。
いつも賑やかで豊かな録澤家の食卓。今日の自給率は約90%! 山を切り拓いて10年、ようやくここまでたどり着きました。
軌道に乗りつつある、動物たちとの自給自足生活。これからがますます楽しみです!
番組ではこの他、「20代カップルが楽しむ里山ライフ」、「アイデア満載夫婦の美味しい自給自足」を紹介します!